７（３１）ウィルビウス

○（７−３１）（１２）ウィルビウス(7-761)(7-762)(7-763)(7-764)(7-765)(7-766)(7-767)(7-768)(7-769) ヒポリュトウスのいとも美しき子、ウイルビウスもまた、母アリキアに見送られ、華麗に仕立てて出征した。彼はエゲリア（水娘）の森で育った。水の豊かに流れる岸のほとり、供物（くもつ）多き、安らけきディアナの祭壇の近くで。言い伝えによれば、ヒポリュトウスは継母（けいぼ）の讒訴（ざんそ）に遭（あ）い、父（テセウス）から受けた罰を血であがなって、暴れ馬どもに引き裂かれて死なねばならなかった。 この時、彼を哀れに思ったディアナ女神は、パエオン（神々の医師）の薬草（やくそう）で彼を甦（よみがえ）らせ、はるか天上の神々のもとへと送り届けたもうた。(7-761-769) (7-770)(7-771)(7-772)(7-773)(7-774)(7-775)(7-776)(7-777) (7-778)(7-779)(7-780)(7-781)(7-782) しかしこれが全知全能（ぜんちぜんのう：オムニポテンス）の御父神（ユピテルの逆鱗（げきりん）にい触れた。大神（おおがみ）には、一旦（いったん）地下の影たちのもとへ赴（おもむ）いた死者が、再び地上の生（せい）の世界へ戻るなど、言語道断（ごんごどうだん）の沙汰（さた）だった。大神は雷霆（らいてい）を揮（ふる）い、かかる蘇生（そせい）術と薬学（やくがく）の創始者（そうししゃ）であるポエブスの御子（みこ）（アエスクラピウス）を、ステュクス（冥界の川）の波間へと沈めたもうた。 しかし心優しいトリウイアの女神（ディアナ）は、ヒポリュトウスをあくまでも匿（かくま）い通し、彼を水娘エゲリアの森に託したもうた。彼はこのイタリアの森で人知れず成長し、その名もウイルビウスと呼ばれるようになった。 このため今でも、トリウイアの神殿とその聖なる森には蹄（ひづめ）ある馬は入ってはならないことになっている。馬が岸辺で、海から現れた怪獣に驚き、戦車と若者（ヒポリュトウス）を転倒させてしまったがゆえに。そんな父を持つウイルビウスではあったが、広大な原野の上に逸（はや）る馬どもを駆り立て、戦車を御（ぎょ）しつつ、戦場へと赴いていった。(7-770-782)

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2015/11/22 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会