６（５）地下世界への道筋(みちすじ)

○（６−５）アエネアスの訴え、地獄への入口を示したまえ しかしやがて興奮が去り、その逆上した口が静まった時、英雄（ヘロス）アエネアスは口を開いた、「処女（しょじょ：オトメ）よ、わたしには初めて経験する艱難辛苦（かんなんしんく）などありません。どんな苦難にもいわばわたしには想定の範囲内なのです。わたしはあらゆる事柄をあらかじめ考え、心の中でさまざまな可能性を調べあげてきたのです。(6-98-105) (6-106)(6-107)(6-108)(6-109)(6-110)(6-111)(6-112)(6-113)(6-114) ただひとつだけ、お願いしたおいことがあります。ここには地下世界への入口があると聞き及んでいます。アケロン(5-103)のお水が溢（あふ）れてよどんだ暗い沼があるとか。そこへ行って愛する父上にお目にかかり、その御尊顔を間近に拝し奉ること、叶わないでしょうか。どうかそこへの道を教えていただけまいか。 わたしは炎を浴び、飛び去る矢を避けながら、父上を肩に背負い奉り、敵中を突破してお救いもうしあげました。以後父は、ずっとわたしと行動を共にしたもうた。千尋（ちひろ）の海を越え、海難と天変（てんぺん）を一緒に耐えてくださった。かなり弱っておいでだったが、お年にめげず意外なお力を発揮したもうた。(6-106-114) (6-115)(6-116)(6-117)(6-118)(6-119)(6-120)(6-121)(6-122)(6-123) そればかりではありませぬ。実は貴女（あなた）を捜し求め、その門をたたくよう、指示したもうたのは父にほかなりません。どうぞわれら父子（おやこ）を憐れと思（おぼ）し召し、お力を貸したまえ。ヘカテよりアウェルニの聖林を預る御身（おんみ）に、不可能なことはないはずです。 オルペウスはトラキアの竪琴（たてごと：キタラ）を奏（かな）で、妙（たえ）なる弦音を響かせて亡き妻（エウリュディケ）の霊を求めることができました。ポルルクスは死んだ双子（ふたご）の兄弟の死を自らの死であがない、ふたり交互に霊界とこの世とを行ったり来たりしているではありませんか。セテウスも一度冥界へ行きました。またアルケウスの孫（ヘルクレス：ヘラクレス）が霊界へ行った話は誰でも知っています。かく言うこのわたしもまた、同じ至高（しこう）のユピテル（ゼウス）の血を引く者です」。(6-115-123)

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2015/11/15 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会