６（４）アポロ神の憑依(ひょうい)

○（６−４）百の入口が開き、巫女の予言が木霊する (6-77)(6-78)(6-79)(6-80)(6-81)(6-82)(6-83)(6-84) (6-85)(6-86)(6-87) だが、まだポエブスの憑依（ひょうい：霊が乗り移って人の様が変ること、よりたのむという意味もあるが）が完全ではなかった巫女は、洞窟の中で大暴れしていた。彼女は何とかして、この巨大な神を胸から叩き出そうとしていた。しかし神は彼女のわめく口をおあせ、暴（あば）れる心臓を絞り上げ、ついに彼女を圧伏して従わせた。 宮居（ぐうきょ）の巨大な百の入口が自然に開き、予言者の巫女の答えが風に運ばれて谺（こだま）した、「おお、ついに海原（うなばら）のあまたの危険を乗り越えたか。だがさらに大きい陸（りく：クガ）の危険が待っているぞ。ダルダヌスの強兵（きょうへい：ツワモノ）どもはラウイニウムに至る。これに関しては何の心配も要らぬ。 しかし彼らは来たことを悔いるであろう。身の毛のよだつ戦争（せんそう：イクサ）がそこで行われる。テュブリスの川辺（かわべ）が大量の血で泡立つのが見えるのじゃ。(6-77-87) (6-88)(6-89)(6-90)(6-91)(6-92)(6-93)(6-94)(6-95) (6-96)(6-97) 汝の行く手にはまたしてもシモイス川が現れよう。クサントウスの流れも目にしよう（いずれもトロヤの川）。ドリカ（ギリシャ）の陣営も待ち受けておろう。ラティウムにはすでに二人目（ふたりめ）のアキレス（トウルヌスのこと）も育っておる。これも女神の産んだ子じゃ。汝がどこへ行こうとユノ女神はテウクリ人どもを追跡（ついせき）して止（や）みたまわぬ。ついに汝は万策（ばんさく）尽きて膝（ひざ）を屈し、イタリアのいかなる種族、どんな町にも援助を請（こ）わざるを得なくなろう。 テウクリ人たちの凶事（きょうじ）の原因（げんいん：モト）は（ヘレナの時のように）またも女（おんな：ツレアイ）じゃ。それは異国から迎える妃（きさき）のことよ。ここでも外国と婚礼を取り結ぶことになっておる。じゃがこんな凶事に負けるではない。心を強（つよ：コワ）くして立ち向かって往（ゆ）け。汝の幸運の女神（フォルトウナ）が汝を導く限りどこまでも。救の道はまずギリシャの町(8-56)からやってくる。汝には心外（しんがい）かもしれぬが」。(6-88-97) (6-98)(6-99)(6-100)(6-101)(6-102)(6-103)(6-104)(6-105) クマエ女（おんな）のシュビラの巫女（みこ）が、聖所（せいじょ：アデュトウム）の中で、この恐ろしい謎の言葉を歌うと、洞窟中（どうくつじゅう）に反響がこだました。だが真実は深い闇につつまれていた。アポロが狂女（きょうじょ）を制御し、その胸を小突（こづ）き回していたのだ。

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2015/11/15 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会