６（１）シュビラの巫女(みこ)に

○（６−１）クマエ在住のシュビラの巫女 (6-1)(6-2)(6-3)(6-4)(6-5)(6-6)(6-7)(6-8) こう言って彼は涙にくれた。彼は艦隊を駆り立てた。そしてついにクマエ付近のエウボイカエ（ギリシャのエウボエア島の町カルキスの植民地）の岸辺に到達した。船団は、舳先（へさき：船首）を沖に向けて陸づけし、錨（いかり）を打ち込んで錨爪で船をしっかりと繋留（けいりゅう）した。こうして弓なす船の艫（とも：船尾）が、海岸線に並んで整列した。若者たちはさっそく西涯（せいがい：ヘスペリウム）の岸に飛び出した。ある者は火種（ひだね）を求めて火打石（ひうちいし）の鉱脈を探し、ある者は獣（けもの）の栖（す）みかの森林（しんりん）に分け入り、水流を発見して戻ってきた。(6-1-8) (6-9)(6-10)(6-11)(6-12)(6-13) しかし敬虔（けいけん）なアエネアスは、まっすぐにアポロの聖像のそびえる丘を目指し、さらにその奥にひそむ畏（おそ）るべきシュビラの巫女の隠れ家を探した。それは深遠な洞窟（どうくつ）だった。デリウスの予言神（デロス生れのアポロ）がこの巫女（みこ）に大いなる心と魂（たましい）を吹き込み、未来（みらい）を開示したもうたのだ。一行はトリウイア（アポロの姉ディアナ女神）の聖林に分け入り、黄金の館（次段で述べられる「神殿」を指す）へ近づいていった。(6-9-13) (6-14)(6-15)(6-16)(6-17)(6-18)(6-19) ダエダルスは、ミノスの王国（クレタ）を逃（のが）れる方策（ほうさく）として天翔（あまか）ける翼を用い、敢えて身を大空に託したという。この新しい工夫（くふう）で凍（い）てつく北極星（ほっきょくせい：アルクトス）まで飛び、ついにはカルキディカの丘（カルキスの植民地のクマエ付近）にふわりと降（お）り立った。彼はこの地で初めて揺るぎない大地を得、ポエブス（アポロ）よ、あなたに櫂（かい）の翼を奉納（ほうのう）し、ここに巨大な神殿を建て祀（まつ）った。(6-14-19)

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2015/11/13 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会