５（１３）再び海路へ

○（５−１３）シチリヤ島北西部の地に都市建設のモデル (5-755)(5-756)(5-757)(5-758)(5-759)(5-760)(5-761) その間、アエネアスは鋤（すき）を持って町の外郭（がいかく）線引き（都市建立のローマ式作法）を行った。そして籤によって住居をわりあて、個々の地域をイリウム、トロヤなどと命名（めいめい）した。元来トロヤ人であるアケステス王はこの立国（りっこく）を喜び、中央広場（フォルム）を選定し、元老院（げんろういん：パトレス）を召集して法律（ユラ）を与えた。 エリュクス山の頂上、星々の近くには、イダリアの女神（めがみ：ひめがみ）ウェヌスの神殿が置かれた。また、アンキセスの墓所には神官（しんかん：サケルドス）が任命され、その周辺には広大な聖林が配置された。(5-755-761) (5-762)(5-763)(5-764)(5-765)(5-766)(5-767)(5-768)(5-769) (5-770)(5-771) その後、全員が参加しての宴（うたげ）が九日間（ここのかかん）続いた。祭壇への奉納の儀も、滞りなく行われた。風は穏やかに海面を撫（な）で、吹きぬける南風（アウステル：ノトウス）の沖へ誘う声がした。 大きく湾曲した海岸線から哀泣（あいきゅう）の叫びがあった。皆ひしと抱き合ったまま、一夜（いちや）と次の昼とを過した。婦人（マテル）たちも、海のおどろおどろしさに怖気（おじけ）づいて、見るもおぞましいと思っていた人たちも、一緒に出立（しゅったつ）し、逃避行（とうひこう）のあらゆる苦難に堪（た）えたいという気持になった。しかし気立（きだ）ての良いアエネアスは、彼らをやさしい言葉で慰め、泣きながら彼らを同族のアケステス王に託した。(5-762-771) (5-772)(5-773)(5-774)(5-775)(5-776)(5-777)(5-778) それから彼は三頭の子牛をエリュクス王(5-393)に、一頭の牝の子羊を嵐神（テムペスタス）たちに捧げるよう命じ、最後に艫綱（ともづな）を解くことを命じた。彼は葉を切り揃（そろ）えたオリブの枝を頭に巻いて、ひとり離れて船の舳先（へさき）に立ち、大盤（パテラ）を捧げ持った。そして潮の流れに獣の内臓を投げ入れ、ワインをそそいだ。一同の櫂が競って海を打ち、船は水面を走り出した。(5-772-778) （5-777）すると風が艫（とも：船尾）より起こり、船の進む方向に向かって吹いた。（オックスフォード版は７７７行と７７８行の順序を入れ替えている）。

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2015/11/12 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会