５（１１）古武士ナウテスの助言

○（５−１１）古武士ナウテスの助言 (5-700)(5-701)(5-702)(5-703)(5-704)(5-705)(5-706) (5-707)(5-708) しかし父なるアエネアスはこの不慮の事故にひどく動揺した。どうしよう、どうしよう、彼の心はさまざまに思い乱れた。あの運命（さだめ）のことなど忘れ、シクラ（シチリア）の地に腰を落ち着けようか。それともやはりイタリアの岸辺を目指すべきだろうか。 一行（いっこう）の中に、ナウテスという名の古武士（こぶし：セニオル）がいた。トリトニアの女神（めがみ：ひめがみ）パラス（ミネルワ）が彼を愛し、さまざまな術を授けて彼を引き立ててやった。また女神はよく、彼の問いに答え、神々の大いなる怒りが何をもたらすか、運命（さだめ）の求めるところは何かなどを教えてやった。(5-700-708) (5-709)(5-710)(5-711)(5-712)(5-713)(5-714)(5-715) (5-716)(5-717)(5-718) このナウテスがアエネアスを慰めて話し始めた。「女神の御子よ。運命（さだめ）の示す方向へ行きましょう。何処（どこ）へ進むことになろうと、また、たとえ引き返すことになっても。運命（さだめ：幸運の女神（フォルトウナ））というものは、それを引き受けることでしか乗り切ることはできません。どんな事態が待ち受けていようともです。 幸いここには神々の血統で、ダルダヌスの末裔のアケステス王がいます。このかたをお味方（みかた）にしてご相談なさいませ。ここかたは喜んでわれわれの力になってくれます。船の喪失によって出た余剰人員はこの王にお任せしてはいかがでしょう。われらの遠大な計画や、あなたのご指示に従いかねる者たちをこのかたにお任（まか）せするのです。 高齢のお年寄りたち、渡海に疲れた婦人（ふじん：マテル）たち、そして一緒に行動しかねる身体の弱い人たち、危険を恐れる人たち、これらの人々とはここで別れたほうがよろしゅうございます。倦（う）み疲れた人々にはこの地に独自の市壁を持つことをお許しあれ。そしてその町をアケスタ（セゲスタ）と呼ぶのはいかがでしょうか。もしお許しがいただけるのならの話ですが」。(5-709-718)

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2015/11/11 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会