２（５） ２（５）
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| (2-88)(2-89)(2-90)(2-91)(2-92)(2-93) この旦那（だんな：主人の下賎ないいかた）がお元気に活躍し、そのご発言が諸王の会議でも重んじられていたかぎり、おれたちも大きい顔ができたのです。ところがこれが、口達者（くちたっしゃ）なウリクセス（ラテン語読み：ギリシャ語はオデュッセウス）の、とんでもねえ嫉妬（しっと）のもととなりました。 この話（ウリクセスが濡れ衣を着せたこと）はみんな知ってる話でござんすよ。旦那がお亡くなりあそばしてから、おれも落ちぶれて地獄を見ました。毎日泣いて暮らしました。お慕（した）いするおかたのご無念（むねん）を思うと、くやしくてしかたがありませんでした。(2-88-93) (2-94)(2-95)(2-96)(2-97)(2-98)(2-99)(2-100) ちくしょうって、おれは浅墓（あさはか）にも、口に出して言いました。もしも、運よく戦（いくさ）に勝って、祖国アルゴス（ギリシャ）に帰れたら、復讐してやるぞって誓いました。こうやって自分を罵（ののし）りで煽（あお）りながら、とんでもねえ怒りを燃え上がらせていたのです。 だがこれがおれの転落のはじまりでした。ウリクセスににらまれて無実でいられるほうがおかしいくらいです。奴（やつ）は、口八丁（くちはっちょう）手八丁（てはっちょう）の煽動家です。なんだかんだと、おれを狙って仕掛けてきたのです。やりかたも実に執拗（しつよう）でした。最後にはあのカルカス（有名な予言者）を手先にしてきました。(2-94-100) (2-101)(2-102)(2-103)(2-104)(2-105)(2-106) だがこんな話はおもしろくありませんよね。本当言うと、おれもこんな話したくありません。ぐずぐずするのはよします。アキウイ（ギリシャ）人などみなさんがたには、皆同じ悪（わる）なのですから。これだけお聞かせすればもう十分でしょう。さあ、あとはきっぱりとおれを処分しておくんなさい。 イタカの旦那（ホメロスの「オデュッセイア」ではイタケ島のオデュッセウス王）がよろこびますよ。アトレウスの子ら（アガメムノンとメネラウス）も高く買ってくれると思いますがね』。 われわれ（アエネアスたちのこと）はどうしても話の続きを聞いてみずにはいられませんでした。この物語の究明をしなければならないと思い込みました。われわれには、ペラスギ（ギリシャ）人たちの底なしのずるさがよくわかっていなかったのです。(2-101-106) |
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2015/10/3 オリジナル教会（初代代表） 笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会