２（１０）カサンドラの予言

○（２−１０）城壁内に入った木馬 (2-241)(2-242)(2-243)(2-244)(2-245)(2-246)(2-247) (2-248)(2-249) おお、祖国よ。おお、神々の住処（すみか）イリウム（トロイ地域の首都だった城市イリオン）よ。勇名とどろくダルダヌスの強兵（つわもの）どもの城よ。馬は四度、都門の敷居の上で止まりました。また馬の腹は四度、武具の音をたてました。しかしわれわれは綱を引く手を止めませんでした。われわれは何も心に止めず、心が狂って盲目（もうもく）になっていました。そしてついにこの不幸な怪物（かいぶつ）を聖なる砦に据えたのです。 この時もカサンドラ（誰にも予言を信じてもらえないトロヤの王女）は未来の運命（さだめ）を口にはいたしました。しかしテウクリ（トロヤ）人が誰も彼女の予言を信じないように、神（カサンドラに求愛を断られたアポロ）は定めたもうたのです。われわれは、都中（みやこじゅう）の寺院を祝祭葉（しゅくさいば：ロリエという）で飾りました。憐（あわ）れにもこれがわれわれの最後の一日になろうとは知る由（よし）もなかったのです。(2-241-249) ○アポロドロスのギリシャ神話 （Ｐ１５３）第三巻（�]�T�T）プリアモス 3-12-5少し前に述べたように、イリオンがヘラクレスによって攻略せられた後、プリアモスと呼ばれたポダルケスが王となった。そして先ずメロプスの娘アリスベを娶り、彼女より、一子アイサコスが生れた。アイサコスはケブレンの娘アステロペを娶ったが、彼女の死を傷んで鳥と化した。 しかしプリアモスはアリスペをヒュルタコスに与えて、デュマスの娘、あるいは一説にはキッセウスの娘、また他の説によればサンガリオス河とメトペの娘であるヘカベを娶（めと）った。彼女に最初にヘクトルが生まれた。第二の赤児が生れようとした時、ヘカベは燃え木を生み、これが全市に拡がって焼く夢を見た。プリアモスはこれをヘカベより聞いて、息子のアイサコスを呼び寄せた。というのは彼は母の父メロプスより夢占いを教えられていたからである。 <P154> 彼はその子が国の破滅となると言って、赤児を棄てるようにと勧めた。そこでプリアモスは赤児が生れると、召使いにイデに連れて行って棄てるように渡した。召使いの名はアゲラオスと言った。彼に棄てられた赤児は五日（いつか）の間熊によって育てられた。そしてアゲラオスは赤児の無事なのを見出した時、それを拾い上げて連れ行き、パリスと呼んで自分の農場で自分の子として育てた。 美貌と力とによって衆に優れた若者となって、盗賊をうち退け、羊を守ったので、後アレクサンドロスと綽名（あだな）せられた。そして後暫くして両親を発見した。 後ヘカベは娘クレウサ、ラオディケ、ポリュクセネ、カサンドラを生んだ。カサンドラと交わらんと欲してアポロンが予言の術を教える約束をした。彼女は教わりながら交わろうとしなかった。そこでアポロンは彼女の予言の術が人に信じられないようにした。 (2-250)(2-251)(2-252)(2-253) やがて日が傾き、夜が急速に天涯（てんがい：オケアヌス：大西洋）から広がって、大地と空とミュルミドネス（ギリシャ）勢の詭略（きりゃく：いつわりのはかりごと）を包み隠しました。城壁の中は静まりかえり、町中のテウクリ人が疲れ切り、四肢を眠りに包んで休んでいました。(2-250-253)

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2015/10/4 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会