１２（５）公開試合伝わる

○（１２−５）両雄の一騎打ちの現場に見物の人々（ひとびと）集まる (12-113)(12-114)(12-115)(12-116)(12-117)(12-118)(12-119)(12-120) 峰々を赤く染めて、次の日が始まった。太陽神（たいようしん：ソルという）の馬車（ばしゃ）馬（うま）たちが深い海の渦から身を起こし、天（てんまたはオリュムプス）へ向けた鼻面（はなづら）から光線を噴（ふ）き出した。大都（だいと）の城壁に面（めん）した野（の）に決闘場（けっとうじょう）が設置された。ルトウリ人の武士（もののふ）たちも、テウクリ（トロヤ）人の武士たちも、中央に炉を設け、両軍共に崇敬する神々に捧げる芝草（しばくさ）の祭壇（さいだん）を作った。お役の人々（ひとびと）が泉水（せんすい）と火を運んできた。彼らは化粧回（けしょうまわ）しを付け、、こめかみ（耳の上で、目じりのわきの部分）には小枝（こえだ）を巻きつけていた（ローマの古式）。(12-113-120) (12-121)(12-122)(12-123)(12-124)(12-125)(12-126)(12-127) (12-128)(12-129)(12-130)(12-131)(12-132)(12-133) アウソニア党(11-301)の兵団（へいだん）が姿を現した。彼らは、槍の穂先（ほさき）を揃（そろ）えて、都門（みやこもん）から続々（ぞこぞく）と溢（あふ）れ出てきた。他方からトロヤ軍とテュレヌス軍（タルコン勢）が、さまざまに軍装を整えて駆けてきた。その軍容はまったく、今すぐにもマルス神に指嗾（しそう：指図してそそのかすこと）されて、激闘が展開されるかと紛（まが）うばかりだった。夥（おびただ）しい兵士（へいし）たちの中を、黄金（おうごん）や緋色（ひいろ）の陣羽織（じんばおり）に輝く総師（そうし：ドウクトルという）たちが駆け回っていた。 中にはアッサラクス（アエネアスの曾祖父（そそふ））の一族のムネステウス(10-145)や、アシラス(9-568)の顔があった。またネプトウヌスの御子で、馬を馴らすメッサプス(11-607)の姿もあった。やがて指示に従って、それぞれが位置につき、地面に槍を突き立て、そこへ盾を立てかけた。 武器を持たぬ民衆たちや婦人（マテル）たちが大勢（おおぜい）現（あらわ）れ、この有様（ありさま）を、固唾（かたず）を呑（の）んで見守っていた。身体の弱った老人たちは、塔や家の屋根に登った。市門（しもん）の上に座を占（し）めて見守る人々（ひとびと）もいた。(12-121-133)

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2015/12/20 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会
2016/1/21使嗾（しそう）