１２（１７）王妃アマタの自決

○（１２−１７）王妃アマタが自ら命を断ち町は破壊されラティヌス王は混乱の極み (12-593)(12-594)(12-595)(12-596)(12-597)(12-598) (12-599)(12-600)(12-601)(12-602)(12-603) この時、疲れ果てたラティニ人たちに、さらに良からぬ事が起き、悲しみで、全市を根底から揺さぶった。王妃アマタは宮殿から、敵の軍兵（ぐんぺい）がこちらへ押し寄せてくるのを目にした。壁に敵兵が登り、家々に火が飛び移った。だが、反撃するルトウリ軍の姿はなく、トウルヌスに率いられる軍勢（ぐんぜい）も見えぬ。 そこで王妃は哀（あわ）れにも、あの若者(トウルヌス)は戦闘で討ち死にを遂げたのだと思い込み、突然心乱れ、激しい苦痛に襲われた。ああわたしが悪かった、と彼女は大声で叫んだ。すべては自分が悪かったのだ、この忌（い）まわしい出来事の原因はすべて自分にあるのだ。 彼女は悲しみに狂った心で、ひとり言（ごと）を続けた。そして命を終える決意をし、紫の輝く上着（うわぎ）を引き裂くと、わが手で、高い梁（はり）に恐ろしい死の結び目を括（くく）りつけた。(12-593-603) (12-604)(12-605)(12-606)(12-607)(12-608)(12-609) (12-610)(12-611) この悲惨な出来事をラティナエ（ラティウム）の哀れな女たちが知った時、真っ先にラウィニアが、手で金髪（きんぱつ）の髪（かみ）を振り乱し、ばら色の頬（ほお）を掻（か）き毟（むし）った。周（まわ）りの女性たちも狂乱に襲われ、宮殿中に悲痛な叫び声が響き渡った。 そしてこの不幸な噂（ファマ）はすぐに都中（みやこじゅう）に知れ渡り、人々（ひとびと）は急激に意気（いき）沮喪（そそう）していった。ラティヌス王は、乱れた服装でさまよっていた。妻の死（し：ファタという）と都の瓦解（がかい）に呆然（ぼうぜん）とし、白い髪は埃（ほこり）で穢（きたな）く汚（よご）れていた。(12-604-611)

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2015/12/23 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会