１１（４）休戦協定

○（１１−４）使節側ドランケスの口上と１２日の休戦日が設定 (11-122)(11-123)(11-124)(11-125)(11-126)(11-127)(11-128) (11-129)(11-130)(11-131) すると、ドランケスという名の古武士（こぶし：セニオル）がこれに応えて口火（くちび）を切った。この男はつねに若いトウルヌスを憎み、彼を告発してやまぬ人物だった。「ご貴殿の偉大なお噂はかねがね伺（うかが）っております。槍をお持ちになれば天下無双（てんか・むそう）のおかたとか。これほどのトロヤの武士（もののふ）のためには、如何（いか）なる賛美（さんび）の言葉を天（オリュムプス）へお届け申し上げても事（こと）足（た）りますまい。 が、ご貴殿の戦闘力もさることながら、われらはご貴殿の義侠心（ぎきょう・しん：ユスティティアという：正義を重んじ、弱い者を助ける心）の厚さにこそ打たれる次第（しだい）なのでござりまして、されば、ご貴殿のそのお言葉、われら感謝をもちまして、わが故郷（こきょう）の町にお伝え申す所存（しょぞん）でござる。 また幸運の女神（フォルトウナ）の御心にさえかないますれば、われらはご貴殿とラティヌス王との間の誼（よしみ）を取り持つに吝（やぶさ）かな者ではござらぬ。トウルヌスなどは他に同盟を求めればよろしかろう。われらはご貴殿が運命（さだめ）の城壁を立ち上げたまうのをお手伝いもうしあげ、ともにトロヤの巌（いわお）を肩に担（にな）わせていただけますれば、ありがたき幸せに存じます」。(11-122-131) (11-132)(11-133)(11-134)(11-135)(11-136)(11-137)(11-138) 彼がこう述べ終わると、使者一同、口を揃（そろ）えて賛同の意を表した。かくて六日（むいか）の倍、十二日の休戦日が設定された。この和平（わへい）に基（もと）づいて、テウクリ人とラティニ人の双方（そうほう）が、争（あらそ）うことなく一緒（いっしょ）に森に入り、尾根（おね）を回って、高いトリネコの木に諸刃（もろは）の斧（おの）の音を響かせた。天（オリュムプス）にそびえる松の木も切り倒された。柏（かしわ）の木と香りの良い杉の木は楔（くさび）をあてて切り出された。そして荷車（にぐるま）は休みなく軋（きし）みながら、秦皮（シンピ）材（オルヌス）(6-182)を運び出していった。(11-132-138)

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2015/12/15 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会