１１（２１） １１（２１）
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| ○（１１−２１）カルミラ常勝の茶番を演じたアウヌスの子 (11-699)(11-700)(11-701)(11-702)(11-703)(11-704)(11-705) (11-706)(11-707)(11-708) アペニヌス（アペニン山脈）の住人アウヌスの子は、たまたま近くにいてこの光景に出くわした。自分も戦士とはいえ、彼は驚いて身動きが取れなくなった。ただリグレス人（北イタリアの住民）の習性に関しては、彼も例外ではなかった。つまり人を騙しても恬（てん）として（平然として、気にかけずに）恥じないように運命（さだめ）づけられていた。 もはや自分がこの場から逃げることもできず、襲いかかる女王（カルミラ）の攻撃をかわすう手だてもないことを認識すると、彼は奸智（かんち）をめぐらして罠をしかけようと試み、狡（ずる）い心でこう言った。「女性（にょしょう）とは申せ、かく強き馬（つよきうま）をあてになされては、さまでの豪腕（ごうわん）とは言えませんな。逃走の手段は棄てられい。拙者（せっしゃ）とおなじく地面（じめん）に立たれよ。ここで組もうではござらぬか。さ、徒歩（かち）戦（いくさ）の仕度をされよ。いずれの側に法螺（ほら）吹きの難が降りかかるか、すぐに貴女（あなた）も納得（なっとく）されよう」。(11-699-708) (11-709)(11-710)(11-711)(11-712)(11-713)(11-714)(11-715) (11-716)(11-717)(11-718)(11-719)(11-720)(11-721)(11-722) (11-723)(11-724) これを聴くと、彼女は一瞬むっとし、めらめらと怒りに燃えた。そして馬を下（お）り、それを仲間に託し、相手と同じ条件で徒歩（かち）立ちになった。彼女は抜身（ぬきみ）の剣を手に、平然と素盾（そだて：飾りのない盾：初陣（ういじん）のしるし）を構えた。若武者はこれを見てほくそ笑（え）んだ。そして次の瞬間、飛ぶようにして逃げた。鞭（むち）を左右（さゆう）に振り回し、猛然と走るよつあし（四つ足）獣（じゅう）（クワドリペスという）を、鉄の拍車（はくしゃ）で駆り立てて遠ざかっていった。 「大（おお）馬鹿（ばか）野郎（やろう）なリグス人（リグレス人）よ、それで威張れると思ったら大間違いよ。こんなところでお国の悪い癖（くせ）を見せてくれるとは、笑わせる。そんな姑息（こそく）な手段で、（父親の）嘘つきアウヌス殿のもとに帰るのは無理というもの」。こう言うと乙女（おとめ：ウィルゴという）は、踵（かかと）から火を散らして駆け出した。 そしてたちまち馬を追い越し、前方（ぜんぽう）から手綱（たずな）を掴（つか）んで攻撃した。こうして彼女は敵の血による償（つぐな）いを果（はた）した。そのさまはあたかも、高い岩場から颯爽（さっそう）と飛び立つ鷹（たか）のようであった。この聖鳥（せいちょう：マルス神の鳥）は、翼（よく）を振りつつ鳩（はと）を追尾（ついび）し、高い雲間で簡単にそれを捕らえ、足の鉤（かぎ）爪（つめ）でその腹を裂（さ）く。すると空から血と羽根（はね）が降（ふ）ってくる。(11-709-724) |
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2015/12/20 オリジナル教会（初代代表） 笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会