１１（１）ラティヌス王城へ

○（１１−１）アエネアスがラティヌス王の館に向けての出陣を命じる (11-1)(11-2)(11-3)(11-4)(11-5)(11-6)(11-7)(11-8) (11-9)(11-10)(11-11) アウロラ（曙の女神）が天涯（てんがい：オケアヌス）を離れて舞い上がった。この時アエネアスは、一刻も早く戦死者たちを埋葬してやりたく、心落ち着かなかった。だが彼は、暁星（あかつきのほし：オエウスという）が現れるや、まず戦勝の感謝の祈りを神々に捧げた。巨大な樫（かし）の木の小枝（こえだ）を払い落とし、それを塚の上に立てると、彼はそこに敵将（てきしょう）メッゼンティウスの戦利品である輝く鎧（よろい）を掛（か）けた。 これは、偉大なる軍神（ぐんしん：ベッリポテンス：マルスのこと）よ、御神に捧げたてまつる戦捷（せんしょう：戦勝におなじ）奉納品（ほうのうひん）（トロパエウムという）となりました。血の滴（したた）る冠毛（かんもう：クリスタ）を据（す）えて、武士（もののふ）の折れた槍を添え、十二箇所の貫通（かんつう）創（きず）のある胸甲（むねかぶと：ロリカ：トラクスという：胸当）を掛けて、左手に青銅の盾を結びつけ、首から象牙（ぞうげ）仕立ての剣を吊（つ）るした。(11-1-11) (11-12)(11-13)(11-14)(11-15)(11-16)(11-17) (11-18)(11-19)(11-20)(11-21) それから彼は、周囲に所（ところ）狭（せま）しと集まった将師（しょうし）たち全員が歓声をあげる中、かく一同（いちどう）を激励（げきれい）した。「武士（もののふ）たちよ、これは大勝利であった。残る懸念（けねん）も、まもなく払拭（ふっしょく）されよう。これはかの尊大王（そんだいおう）からの初物（はつもの：プリミティアエという）の戦利品じゃ。わが手に成（な）れるメッゼンティウスその人が、ここにいるのじゃ。 さて、今からわれらは、ラティウムの城壁と王への軍旅（ぐんりょ）に出発せねばならぬ。戦（いくさ）の仕度をし、勇気と希望をもって戦闘の計画を立てよ。神々が許したまうならば直ちに軍旗（ぐんき）を抜きとり（陣営内の地面に立てた旗を出陣に際して抜く）、ゆめ、兵（へい）の出陣に手間取るようなことがあってはならぬ。われらは疑義（ぎぎ）躊躇（ちゅうちょ）なく決然（けつぜん）と出立（しゅったつ）すべきじゃ。(11-12-21)

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2015/12/14 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会