１０（１０）タルコン王の檄(げき)

○（１０−１０）アエネアス友軍の上陸が開始タルコン王の檄が飛ぶ (10-287)(10-288)(10-289)(10-290)(10-291)(10-292)(10-293) アエネアスは、そびえる艫（とも：船尾）から梯子（はしご）を下（お）ろし、兵（へい：ツワモノ）たちを上陸させた。多くの船では、引潮（ひきしお）時（じ）に海が後退（こうたい）するのを待ち、浅瀬（あさせ）へ飛び降（お）りた。櫂（かい）を伝（つた）って降りる兵（へい）もいた。タルコン王は、浅瀬のないところを偵察（ていさつ）し、波が騒々しく砕け散らず、海がそのまま勢（いきお）いよく陸地（りくち）におしよせている岸辺（きしべ）を探（さが）した。そして、いきなり配下（はいか）の艦（かん）の舳先（へさき）を海岸へ向けさせ、一同（いちどう）に申し渡した。(10-287-293) (10-294)(10-295)(10-296)(10-297)(10-298)(10-299)(10-300) (10-301)(10-302)(10-303)(10-304)(10-305)(10-306)(10-307) 「わが精鋭（せいえい）たちよ、今こそ渾身（こんしん）の力を振り絞（しぼ）って櫂（かい）を漕（こ）げ。舳先（へさき：船首のこと）を挙（あ）げて前進せよ。衝角（しょうかく：ロストウルムという）で敵地を切り裂け。竜骨（りゅうこつ）で海に畝（うね）を入れよ。船を泊（とまり）地（ち）にぶつけよ。橋頭堡（きょうとうほ）を確保すれば船は壊（こわ）してもよい」。 タルコン王の檄（げき）に応（こた）えて、漕（こ）ぎ手は一斉（いっせい）に頭を反（そ）らせて櫂を漕いだ。艦は飛沫（しぶき）を飛ばしてラティウムの野に進み、その衝角（しょうかく：ロストウルム）を乾いた土にぶつけた。この時、どの艦の竜骨も無傷であった。ただ、タルコン王よ、御身（おんみ）の座乗艦（ざじょうかん）だけが無事ではなかった。浅瀬にはまり、硬く尖（とが）った底に乗り上げていつまでも揺（ゆ）れ、寄せ来（きた）る波と格闘（かくとう）していた。 そして艦は最後には壊（こわ）れ、武士（ぶし：モノノフ）たちを波間に投げ出した。兵（へい）たちは櫂の破片（はへん）や漂う漕ぎ座に巻き込まれ、潮流（ちょうりゅう）に足を取られて引き戻された。(10-294-307)

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2015/12/07 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会