１０（１）天の御前(ごぜん)会議

○（１０−１）ユピテルと神々の御前会議主神の停戦指示 (10-1)(10-2)(10-3)(10-4)(10-5)(10-6)(10-7)(10-8) (10-9)(10-10)(10-11)(10-12)(10-13)(10-14)(10-15) その頃、全知全能（ぜんちぜんのう：オムニポテンス）の天（オリュムプス）の館（やかた）が開いた。神々の父にして人々の王なる大神（ユピテル）が、星々をちりばめた大広間（おおひろま）に会議を招集（しょうしゅう）したのだ。大神は天空（てんくう）の高みからダルダヌスの兵（つわもの）たちの陣営とラティニ人の軍をじっくりとご覧になった。 さて東西両開きの大広間に神々が座を占めると、大神は宣（のたま）うた。「偉大なる天上の神々よ、そこもとたちとしたことが、なにゆえに昔の騒乱の火種を掻（か）き起し、こんな醜むご」い争いに没頭（ぼっとう）するのじゃ。そもそもこのわしは、イタリアがテウクリ人たちと戦うなどということを是認（ぜにん）しておらぬ。わしの意に反し、かかる不和を起すとは、何というざまじゃ。何か不安で仕方がないのか。あっちでわめいたと思ったらこっちでも騒ぐ。あげくの果てに武器を振り回しての大騒動じゃ。 戦うべき戦いは、そこもとたちが呼ばなくても、そのうち嫌でも起きるのじゃ。よいかな、いつか獰猛（どうもう）なカルタゴがローマの砦に大災厄（だい・さいやく：災難、突然の不幸なできごと）を運んでくる。アルペスの峰々が破られる時が来るのじゃ（紀元前２１８年のハンニバル戦争をさす）。そうなったら存分に憎め。心ゆくまで奪い尽くせ。ではあるが、今は止（や）めい。おとなしく約定（やくじょう）に従って平和を守れい」。(10-1-15)

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2015/12/6 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会