（２）つぶら瞳の美女 （２）つぶら瞳の美女
| 44-33この者どもの言うことには、44-34「わしら一遍死ねばそれでおしまいだ。復活なんてあるものか。44-35さあ、わしらの御先祖がたを（生き返らせて）ここへ連れて来て見せるがいい、もしお前らの言うことが本当なら」と。44-36それでは自分はトッパアの人々より偉いとでも言うのか。44-37もっと昔の、我らに滅ぼされた罪深い者どもより偉いとでも言うのか。 44-38天と地と、その間なるすべてのものを我らは面白半分に創ったのではない。44-39真面目に創ったのだが、大抵の者にはそれがわからぬ。44-40よいか、判決の日、それは誰もかれもが（喚び出される）定めの時。44-41その日にはどんな親しい人間同士でも役には立たぬ。誰からも助けて貰うわけには行かぬ。44-42勿論、アッラーの特別の思召しを戴く者は別だが。まことに、お偉い、情ぶかいお方におわします。 44-43見よ、このザックームの木、44-44これが罪ふかい者の食物。44-45どろどろに熔かした銅のように腹の中で煮えかえり、44-46熱湯のようにぐつぐつ煮え立つ。44-47「この者を連れて行って、地獄の真只中に曳きずり込め。44-48熱湯の責苦を頭からざあっとあびせかけよ。」44-49「さ、とくと味わうがいい。まったくお前は偉い、立派なお方。44-50これこそお前らが（現世で）疑っていたもの。」 44-51だが敬虔な信者たちだけは安全なところに置いて戴ける。44-52見はるかす緑の園、湧き出す泉。44-53絹や錦を身につけてみんな互いに向い合う。44-54それからまた、つぶら瞳の美女たちを妻として与えよう。44-55ここではどんな果物でも望み次第、なんの心配もありはせぬ。44-56ここへ入ったからは、最初一遍死んだだけでもう二度と死の苦しみをなめることもなく、地獄の責苦からは（アッラー）が守って下さる。みんな神様の思召し。まことに、これこそ大した儲けもの。44-57（抜け） ---「上質の女が抱ければ死んでもいい」そのような思いの荒くれ者こそ戦に役立つ。無頼者でもかまわぬ、言葉巧みにイスラムに誘う。 44-58とにかくにもこうして汝の言葉でわかりやすくしておいたから、はっと気のつく者も出るであろう。44-59ま、もう少し様子を見ておるがよい。あちらでもじっと様子を見ておる様子。 ---「はっと気のつく者も出る」とは、わたしが注釈しているようなこと、すなわち金持ちを撃ってその金品を奪い、やつらを地獄に叩き落すことである。あちらとは、イスラムに不審を抱き始めた金持ち連中のことである。 |
| 第４４章「煙」（完） |
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