（４）天の父 （４）天の父
| イスラム信者には幸運をほのめかし・・・ 43-67いよいよその時になると、昨日の友も今日の敵。と言うても敬虔な信者だけは話が別。43-68「これ、わしの（忠実な）僕ども、今日はお前たち何も怖がることはない。お前たちだけは決して悲しい目に遇わせはせぬ。」43-69我らの神兆を信仰し、信仰一筋に生きた人々だから。43-70「さ、楽園にはいるがよい、お前たちも、お前たちの妻も。それはよい気持。」43-71何しろ黄金のお盆や盃がぐるぐる廻り、欲しいと思うものはなんでもある。いたるところ目の保養になるものだらけ。「さ、お前たちはここに永久に住めるのだ。43-72お前たちのして来た（善行）にめでてこの楽園を継がせてやるのだ。43-73ここには果物が沢山なっていて、お前たちいくらでも食べ放題。」 ---「こっちの水はあーまいぞ」という誘い文句である。「敬虔な信者」とはイスラムである。 跪拝せぬ者ども 43-74これに反して、罪ふかい者どもはジャハンナムの責苦が永久の住居。43-75この苦しみばかりは絶対に軽くしては戴けぬ。もう何もかもおしまいだ。43-76別に我らがあの者どもに不当な仕打ちしたわけではない、結局彼らの方でわれとわが身に害して来ただけのこと。43-77「のう、もしマーリク様神様に頼んで早うわしらの息の根止めて貰って下され」などと大声あげるが、「いつまでもそうしておれ」と言われるばかり。43-78「せっかく我らが真理を持って行ってやったのに、お前らの大部分は真理というものがよほど気に入らなかったらしい。」43-79彼らまた何か（悪）だくみし始めたな。なあに、こちらでも打つだけの手は打っておる。43-80それとも彼ら、自分たちの内緒ばなし、ひそひそばなしが我らに聞えないとでも思っているのか。そうはいかぬぞ、我らの遣わした者どもが彼らの側についていて一々記録をとっておる。 ---貧乏人たちに（高利で）金を貸してやったり、低賃金で働かせたりしていた金持ちどもは威張って街中を歩き、彼らに跪拝されていた。その金持ち連中が、得体の知れない「アッラー」などを持ち出してきたイスラムの指示で跪拝などするわけがない。それこそ、イスラムの真の狙いである。金持ちへの攻撃と略奪行為が、国際社会から「強盗」と見なされることを恐れる人々に、「聖戦」だと言い含めることができるからである。 天の父なる神 43-81言ってやるがよい、「お情ぶかい御神にもしも御子があるならば、このわしがいの一番にお仕え申すわ。43-82恐れ多くも天と地の主、玉座の主にいましますに。彼らの言うようなものとはわけが違う」と。43-83さ、（これだけ言っておけば、）後は彼らいくらでも深入りして ---天や地よりも、人間こそが神の作品である。なぜなら、人間こそ神を認識するからである。その人間の中で、神と一体となり、全く従われた者がいる。聖母マリヤとイエス・キリストである。 43-84（アッラーこそは）天にあっても神、地にあっても神。まことにその智恵限りなく、全てを 43-87彼らに訊いて見るがよい、「お前たちを創造したのは誰だ」と。彼らにしても「アッラーだ」と答えるほかはないであろう。さ、それなら、なんでこうよおそ見ばかりしておるのか。43-88彼の言うよう、「主よ、この者どもは信仰心のない人々でござります」。43-89ま、大目に見てやれ。「平安あれ」と言っておけ。そのうちに彼らもきっと悟ることもあろう。 |
| 第４３章「光りまばゆい部屋飾り」（完） |
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