（３）アッラーよそに （３）アッラーよそに
| 36-55あれ見よ、楽園に入れて戴いた連中は、今日、楽しみごとに忙しい。36-56女房ともども涼しい木陰にしつらえた豪華な 36-60これ、アーダムの子供たち、わしはお前たちと契約しておいたはず、シャイターンには絶対に仕えないと。あれはお前らの仇敵だ。36-61お前ら（あの契約によると）わしだけに仕えるはずではなかったか。それこそ正しい道というものではないか。36-62それなのに、お前たちそろいもそろってあれに迷わされてしまうとは。それほどのものがわからなかったのか。36-63ま、とにかくこれがジャハンナム、前々からの約束通りのもの。36-64今日こそ、とっくり焼かれて見るがよい。己が無信仰の報いとして。」36-65今日は、彼らの口に封印してやる。やれ、さかんに手で物言っておる。自業自得で獲たものを彼らの足がありありと見せておる。 36-66我らさえその気になれば、彼らの目を潰すこともできるのだ。そうなったら、いくらわれがちに正しい道に出ようと焦ったとて、一寸先も見えなかろうが。36-67我らさえその気になれば、彼らの今いる場所で、そのまま姿を変えてやることもできるのだ。そうなったら、進みもならず、退きもできぬ。36-68それから、誰かに長寿を与える。さ、これでも彼らにはわからないのか。 36-69我らはあれに詩を教えたおぼえはない。そのようなもの、あれには向かぬ。あれのは（神の）お諭、まごうかたないクルアーンのみ。36-70これで生ある者を諭し、また信仰なき者どもには 36-71彼ら全然気がつかないのか、我らが手ずから家畜を創り出し、それを彼らに 36-74それなのに、彼らは、アッラーをよそにして、ほかに沢山神々を祀り、それでなんとか救われようと思っておる。36-75なんであんな者どもに彼らを救う力などあるものか。逆に彼らの方が（邪神ども）を護ろうとて軍備おさおさ怠りなしという有様。36-76それゆえ、彼らになんと言われようと、汝は悲しがるにはおよばない。彼らのことなら、胸に隠した思いでも、外にさらけ出して見せるものでも、すっかり我らが知っておる。 36-77一滴の精液から我らに創り出して貰いながら、人間は全然それに気がつかないか。なんたることか、公然と（我らに）歯向かうとは。36-78創造して貰ったことなぞ忘れはて、譬え話まで持ち出して、「ぼろぼろになってしまった骨を誰が生き返らせる」などと言う。 36-79言ってやるがよい、「一番初めに（無から）お創りになった方が生き返らせ給う。被造物のことはなんでも全部御存知。36-80お前たちのために緑の木から火を作って下さったのもあのお方。そのおかげでお前たち火をつけることができるのではないか」と。 36-81天と地を創造したほどのお方が、彼らと同じようなものを（も一度）創ることぐらいおできにならなくてどうしよう。限りない創造の力もったお方、全知の御神におわすに。36-82何か欲しいと思われたら、「在れ」とただ一言お命じになるだけで、もうできてしまう。36-83勿体なくもその御手の内にあらゆるものの主権を握り給うお方、お前たちみなを最後に連れ戻されて行くお方。 |
| 第３６章「ヤー・スイーン」（完） |
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