３１（２）信仰の希望 ３１（２）信仰の希望
| 31-19お前たち気がつかなかったのか。アッラーは天にあるもの、地にあるもの、すべてを取り抑えてお前たちの用に供し、内からも外からもふんだんにお恵みを授けて下さったではないか。それなのに、人間どもの中には、なにも知りもせず、お導きを戴いたわけでもなく、明るく照らす啓典を授かってもいないくせに、アッラーのことをああだこうだと ---狙いは富者の富、彼らがそれまでの因習を変えることがないのは分かっている。 31-21己が顔をアッラーにそっくりお預け申して善行にいそしむ人こそ、絶対に 31-22信仰をはねつける者があっても、なにも汝はそのことで悲しがるにはおよばない。どうせみんな最後には我らのところへ帰って来るから、その時彼らのして来たことは全部改めて我らから詳しく語って聞かせてやる。いかなる胸に秘めた思いもアッラーはすっかり御存知。31-23そういう者どもには、ほんの暫く楽しませておいて、後で嫌応なしにはげしい罰を下してやる。 ---富者ども、今に見ておれ。格差社会に覚醒した者がその腹に一物を持つ。 31-24彼らにしても、「天と地を創造したのは誰か」と訊かれれば、きっと「アッラーだ」と答えるにきまっている。言うがよい、「ああなんと有難いことか、アッラーは」と。だが、いずれにしても大抵の者にはわかるまい。31-25天にあるもの、地にあるもの、すべては挙げてアッラーに属す。アッラーこそは本当に自主独立、限りなくお立派なお方。31-26かりに地上の樹木が全部筆であったとして、海は現にあるものに更に七つの海を加えたとて、アッラーのお言葉を書き尽すにはまだ足りまい。まことにアッラーはお偉く、賢くおわします。31-27お前たち全部を創造し、喚び起すことも、まるでただ一個の魂でも取り扱うようになし給う。まことにアッラーは耳敏く、全てを見透し給う。 アッラーは変数名である。今は値として、「創造主」を代入している。恐るべきは、これに「イスラム」が代入されているのにそれに気づかないことである。混同すると、アッラーが魔王に見えてしまう。 31-28汝、気がついたことはないか、アッラーが夜を昼の中に入りこませ、昼を夜の中に入りこませていらしゃるのを。その上、太陽と月とを抑えつけ給えば、いずれもある一定の時限まで走るようになった。そのうえ、アッラーはお前たちのしていることまで全て御存知。31-29それはすなわち、アッラーこそ真実（の神）であって、それ以外にみなが拝んでいるようなものはいずれも 31-31さて、大波まき起って暗影のごとく頭上に覆いかぶされば、彼らも信仰一筋にアッラーにお祈りするが、一旦陸地まで無事届けておやりなされば、たちまちある者は気がゆるむ。だが、我らの神兆を否定するのは、恩知らずの裏切り者ばかりだ。31-32これ、人間ども、己が主を畏れかしこむがよい。父親も子供の役に立たず、子供もまた己が父親の役に立たぬ日を怖れるがよい。31-33まこと、アッラーのお約束は必ず実現する。束の間の世に騙されるなよ。アッラーのことで、あの騙し上手にい騙されるなよ。 31-34まこと、アッラーだけがかの時のことを御存知。（降るべき時に）雨を降らすもあのお方。子宮の中まですっかり御存知。だが（人間は）誰一人自分が明日どのようなことになるかも知りはせぬ。誰一人自分がいずこの地で死ぬかも知りはせぬ。ただアッラーだけが何から何まで全部御存知。 |
| 第３１章「ルクマーン」（完） |
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