（６）アダムに跪拝 （６）アダムに跪拝
| 急ぐまいぞ 20-111ただ、信仰者として、義しい行いにはげむ者だけは、不当な目に遇う心配もいらなければ、損害を受ける心配もない。20-112こうして我らはこれをアラビヤ語のクルアーンとして下し、その中で、種々様々の形で（罪深い人々を） 跪拝の起源 ---アダムと関連付けて、幾度となくでてくる。 20-114さて我らはずっと前にもアーダムと契約を取り結んだことがある。しかし、彼は忘れてしまった。どうもあの男にはしっかりしたところがなかった。20-115ところで、我ら天使たちに向って、「アーダムに跪拝せよ」と言ったとき、みな跪いたが、イブリースだけが断った。そこで我らは、「これ、アーダム。この者は、お前にも、またお前の妻にも仇敵であるぞ。お前たち二人、この者に楽園から追い出されて、情ない目に遇うようなことのないよう気をつけよ。20-116よいかな、ここではお前はひもじい思いをすることも、裸でいることもないようになっておる。20-117また喉がからからにかわくことも、じかに陽に照りつけられることもない」と言ってきかせた。 20-118それをシャイターンが彼に耳打ちして、「これ、アーダム、お前に不老不死のお樹を教えてやろうか。それから、絶対に衰えない王権を」と言う。20-119二人がその（実を）食うとたちまち、自分たちの陰部が見え出したので、今度は楽園の木の葉で身をかくすものを縫いはじめた。こうしてアーダムは主の命にそむき、大変な思惑ちがいした。20-120だが、やがて主は（再び）彼を選び、思い直して、また正道に導いておやりなさった。20-121そして仰せられるよう、「二人一緒にここから落ちて行け、お互い同士敵となって。 イスラムへの忠誠 だが、もしもそのうち、わしの手もとから導きが下されるようなことになったなら、20-122わしの導きに従うものだけは決して道も迷わず、情ない目にも遇わずにすむようにしてやろう。20-123しかしわしの諭に背を向けるような者は、よいか、肩身の狭い一生を送ったあげく、20-124復活の日には盲にして召し寄せてくれようぞ。」 20-125「主よ、なぜ私を盲にしてお召しなされたのでござりますか、前にはよく見えておりましたものを」などと言うことであろう。20-126「このようなことになったのは、せっかく我らの神兆を見せて戴きながら、それを忘れ果てていたからじゃ。それゆえ、今日はお前が忘れられる番となった」との仰せ。20-127道楽するばっかりで、一向に主のお 20-128これでも彼らには手引きして戴いたことにはならないのか。彼らの以前に我らに滅ぼされた世代がどれほどあるか知れぬということが。現にその人々の住んでいたところを彼らが自分で歩き廻っているではないか。これこそ、頭のいい人々にとっては、まぎれもない神兆ではないか。20-129前もって主のお言葉が出ており、一定の期限が決められているから（彼らもああして呑気にしていられるのだが）、さもなくば、早速にも（同じ運命に襲われる）こと必定。 礼拝義務 20-130されば、汝も、彼らになんと言われようと、じっと我慢することが第一。日の昇る前、日の沈む前、心から主を讃えまつれ。それからまた、夜の間にも、よく讃えまつるよう。特に一日の端に。そうすれば、（主の）嘉し給うところとなろうかもしれぬ。 ---この章の核心部分はこの数行であろう。 20-131それから、汝、彼らの一部の者に我らが（現世の）楽しみを許しているところを、そう羨しそうに眺めるものではない。あれは要するに束の間のお現世のあだ花。ただ彼らを試みておるだけのこと。神様の下さる養い分の方がはるかに立派で、はるかに永もちする。 20-132さ、家族の者たちにも礼拝するよう言いつけなさい。汝自身も熱心に（礼拝）にいそしむよう。我らは何も汝に養ってくれとは言わぬ。こちらが汝を養ってやるだけのこと。最後の（勝利）は懼神の心（ふかい人）のもの。20-133「なぜ彼は神様のお手元からお徴を戴いて来ないんだろ」などとみなが言っている。なんということか、あれほどはっきりしたお徴が以前の啓典の中に現れているのに。 20-134それでいて彼らは、もし我らが以前に天罰で滅ぼしてやったなら、必ずや「主よ、何故に我らに使徒を遣わしては下さりませんでした。そうすれば、こんな屈辱を蒙り散々な目に遇う前に、貴方のお徴に従っておりましたに」などと言うにきまっている。20-135言ってやるがよい、「誰もみんな待っておる。お前たちも待っているがよい。 |
| 第２０章「ター・ハー」（完） |
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