１６（６） １６（６）
| 離反者 16-108一旦信仰に入っておきながら、アッラーに背く者−−−−とお言っても、無理やりに（背信）させられて、自分では依然としてゆるがぬ信仰をもっている者は別だが−−−−おのが心をひろびろとうち開いて背いて行くような者、そういう者どもには、アッラーの御怒りが下ろうぞ。そのような者どもには、恐ろしい天罰が待っている。 16-109それというのも、彼らが来世より現世の方を好きになったからのこと。もともとアッラーは、信仰のない人々など導いて下さりはせぬ。16-110こういう人々は、アッラーがその心と耳と目に封印を捺しておしまいになった人々。うかつな人間とは彼らのこと。あれでは、来世で必ず大損する。 16-111だがしかし、ひどい迫害を蒙ったあとで都落ちし、（神の道に）戦い、あらゆる困難に耐えぬいた人々、そういう人々にだけはアッラーもこれからは一切の罪をゆるし、限りなく優しくいたわって下さるであろう。16-112やがて、一人一人が自分自身の弁護をさせられる日が来れば、誰もが自分の（現世で）したことの充分の報いを頂戴し、決して不当な扱いを受けることはないであろう。 16-113さあ、またアッラーが譬えをお引きになった。或る 食物の 16-115さあ、アッラーがお前たちに授けて下さった正当な、おいしい食物、どんどん食べるがよい。そしてアッラーのお恵みに感謝せよ、もしお前たちが心からあのお方にお仕えしているのであるならば。16-116お前たちに食べることを禁じ給うたのは、死肉、血、豚の肉、それにアッラー以外の（邪神）に奉げられたもの、ただどれだけ。 だが、（それにしても）、自分から反抗心を起し、掟にそむこうとしたのでなく、他から無理強いされて（食べた）場合は、アッラーはこころよく赦して下さろう、あわれんでも下さろう。16-117お前たち、これはどう、あれはどう、と舌まかせでいいかげんなことを言い、「これは正当な（食物）、これは禁忌」などと（自分勝手に）言ってはならぬ。アッラーにそむいてありもせぬことを言うことになる。さもアッラーの御意向のように見せていいかげんなことを言う者は決していい目は見られないぞ。 16-118ほんのわずかに楽しめるかもしれないが、やがて痛い苦しい罰を受ける身となろう。16-119また、ユダヤ教を奉ずる人々にたいしては、我らは、以前に汝に話してきかせた通り（たくさんの）禁忌を設けた。それとて、別に我らが彼らに不当なことをしたわけではない、彼らがわれとわが身に害しただけのことにすぎぬ。16-120それから、無知の故に悪事をしてしまったが、後になってから改悛し、行いを改めた人々にたいしては、神様は、それからは、こころよく赦しあわれみをたれ給う。 イブラヒーム 16-121まことイブラーヒームはアッラーのお言付けに忠実な信徒の軌範、純正な信仰の人であった。多神教徒のたぐいではなかった。16-122特に彼を選び出して、正しい道に手引し給うた、そのお恵みに、深い感謝の念を抱いておった。16-123されば我らは彼を現世でも結構な身分にしてやった。来世では彼は、たしかに、義しい人々の一人になるであろう。16-124その後、我らは汝に啓示を与えて、「純正な信仰の人、イブラーヒームの宗旨に従え、あれはたしかに多神教徒のたぐいではなかったから」と命じた。 16-125安息日というものは、もともと、そのことでうるさく論争していた者どもにたいして指定されたもの。彼らの論争の種となったことについては、いずれ復活の日に、神様が黒白をつけ給うであろう。16-126主の道に人々を喚べよ、叡智とよき忠告とをもって。（頑強に反対する）人々には、最善の方法で議論しかけて見るがよい。道から迷い出てしまった人々のことは、主が誰よりも一番よく御存知。正しい道をあゆんでいる人々のことも、また一番よく御存知。 ---安息日はいつから始まったのか。それは、遊牧民であったアブラハムからではない。遊牧民には、「休み」などはなかったであろう。モーセのリーダーシップでエジプトを脱出した人々が最も喜んだのは、奴隷からの解放を勝ち取って得た「自由」である。その象徴が、安息日である。しかし、安息日が絶対的な掟になったのは、エルサレムに帰還した人々が新しいユダ王国、「ユダヤ人」へとその姿を変えてからであろう。安息日はユダヤ教の象徴である。 16-127またもしお前たち、（相手を）懲しめようというのなら、懲しめてやるもよし、だが向うにやられた程度のことにしておくのだぞ。だが、もし我慢できるものなら、我慢するにしくはない。16-128汝も我慢強くあれ。が、勿論、我慢というても、アッラー（のお助け）あってはじめてできること。あの者どものことをそう悲しがらせぬがよい。彼らがどのような悪だくみをしたとて、苦にすることはない。アッラーは敬虔な人々、そして善行にはげむ人々と共にい給う。 |
| 第１６章「蜜蜂」（完） |
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