１１（１）アッラー曰く １１（１）アッラー曰く
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 11-1アリフ・ラーム・ラー。（これは天啓の）書−−−−その文句（まず）完全にととのえられ、次いで次第に解き分けられて行ったもの。あらゆることに 11-5あれ見よ、彼ら自分の胸を幾重にも折り畳んで、（そこに秘めた思いを）アッラーに見られまいとしておる。11-6だが、たとい着物を頭からすっぽりかぶったとて、（アッラーは）すっかり知っていらっしゃる、隠してもさらけ出しても同じこと。11-7人間の胸の中のことは何から何まで全部御存知。11-8それのみか、地上を匍い廻る動物にしても、全部アッラーの養い給うところ。何処に棲み、何処にひそむかということまで御存知。ことごとく明白な啓典に記録されておる。11-9それから、玉座がまだ水上にあったころ、六日間で天を創り地を創り給うたのもあのお方。これは、汝らのうち誰が一番立派な振舞をするか試してごらんになるためであった。 ---「創世記」に書いてある、天地の創造主が、太陽、月、星々、地球上の万物を六日で仕上げたということには、科学的な意味はない。「創世記」はユダヤ人の経典である。大事なのは、六日働いて次の一日を「聖」として、必ず休むということなのである。彼らの祖先がエジプトの地に奴隷であった時に、彼らは休日ということを知らなかったのである。「必ず休む。何もしてはならない」という強い掟がなければ、労働弱者は休日を知らない状態に追い込まれていくのである。ユダヤ教の安息日を「行き過ぎだ」とあざ笑うことはできない。ユダヤ人は、神を一日休ませ、安息日を「聖」としたのである。 イエスは、ユダヤ教と対立するために、「安息日を無視しろ」と言われたわけではない。イエスは、掟優先の、「偽善」を言われたのである。 「創世記」はユダヤ人の経典の一部であって、他宗教の人々とのもの、つまり全人類のものではない。これを誤ると、誰もが知っている「ビッグバン」の時代に、なんと古臭い宗教だ、と言われてしまうのである。経典つまり宗教書は、掟を教えるものであって、科学を教えるものではない。 11-10「汝ら必ず、死んだ後でまた喚び起されるであろう」と言うと、罰当りどもはきっと「それでは、まるで魔術ではないか」などと言う。11-11また我らが、当分のあいだ彼らに罰を下さないでおいてやると、たちまち（図にのって）「なにをぐずぐずしてるのか」などと言い出す。いまに見るがよい。いよいよ天罰の下る日になったなら、もう逃げるに術もなく、自分たちが散々ばかにして来たものにぐるりと取りかこまれてしまうのだから。 11-12ほんとうに人間というものは、我らが恩恵を味わしてやっても、後でそれを取り上げでもしようものなら、忽ち暗い気持になって信仰を棄ててしまう。11-13だが、ひどい禍いにみまわれた後で、我らがまた幸福を味わせてやると、きっと、「俺の不幸などどこかへ行ってしまったぞ」などと言い出すにきまっておる。すっかりいい気持で、得意満面。11-14もっとも、よく辛苦に耐え、善行にはげむ人々だけは例外で、そういう人々にはお赦しと、それから大層な御褒美が与えられよう。11-15汝は自分の受けた啓示を一部抜かして、それで胸が責められておりはせぬか。しかしそれも（無理もない）、みなに「なぜ、あいつには天から宝が降ってこないのか。さもなければ、なぜ天使でも一緒につれて来ないのか」などと言われておるのだから。よいか。汝はただの警告者なのだぞ。アッラーは全てを見守り給う。 ---ふと思うのだが、「このコーランは誰が書いた、あるいは誰が誰に書かせたものだろう」と。文面から、マホメット自身でないことは文面から明らかである。この書き方は、旧約聖書のものではな。新約聖書のものでもない。それら両方から聞きかじったものを、聖書をまったく知らない者を相手に書いている。聞いた者は、そのまま鵜呑みするしかない。 このコーランの著者自身の信仰は、今までのところどこにも見い出だせなかった。困ったことに、浅い知識をもとにして、無知な相手に対して、べらべらしゃべりまくる法螺吹き者の印象なのである。 11-16「なあに、全部彼のでっち上げたでたらめさ」などと言う者もおるのか。よし、言い返してやるがよい、「それなら、これと同じような（啓示の）文句を十ばかり、でっち上げで作れるものなら作って見せるがよかろう。アッラーとは別のどんな（神様）にでもお願いして見るがいい。もしお前たち本気でそんなこと言っているのなら」と。 ---著者は、直接批判者の前にたたず、「言い返せ」と無知の者に対応させる書き方をしている。 11-17そこで、もし彼らが汝らに応じられないようなら、そのときこそ、（コーラン）が本当にアッラーの御知識をもって始めて啓示されたものであったことがわかるであろう。それからまた、そのほかには絶対に神は無いということも。これで、汝ら恭順の意を表しまつるか。11-18束の間の現世の生とその栄華に憧れる人々にたいしては、我らもそこで彼らの行いに充分の報いを与えるであろう。決して、そこではひどい目に遇わされることはない。11-19だが、こういう人々を来世で待っているのは（地獄）の劫火ばかり。もうそうなっては（現世で）どのような手を打っておいてもなんの役にも立たず、今までして来たことは全部無駄であったということになろう。 11-20（このようなくだらぬ人々と比較になろうか）、神様の下さるお 11-21アッラー曰くと称して、ありもせぬでたらめを言いふらす者ほど悪い者がどこにあろうか。そういう者どもはいずれ神様の面前に曳きたてられ、そこで証人たちに「この者どもでございます、神様にたいしたてまつり嘘を吐いておりましたのは」と言い立てられる。見よ、アッラーの呪詛はそういう悪人どもにふりかかるであろう。11-22すなわち、アッラーの道をせき止め、なんぞして（真直ぐなその道を）曲げようとかかり、来世ということになるとなんの信仰も示さぬ者ども。だが、彼らが地上で（どのようなことをしたところで、アッラーを）出し抜きもうすことなどできるものか。だいいち、アッラーを措いて、誰が彼らを保護したりしてくれるものか。彼らには罰を二倍にしてやろうぞ。ものを聞くこともできず、ものを見るすべもしらなかったとは。11-23魂を喪失した人間というのはあのような人々のこと。自分ででたらめに 11-25だが、かたく信仰を守り、義しいことを行い、神様の前に心をひくくする人々、そういう人々だけは楽園の住人となって、永とわまでもそこに住みつくことになろう。11-26この両方を譬えて言うなら、盲でつんぼの人と、目も見えれば耳も聞える人との違いか。これが同列にならべられようか。これでも汝らまだ、気がつかないか。 |
| 次へ |
 |
 |