| 今朝、通勤途中の千里山の竹やぶの小道で、「福音書のマタイとルカは律法の書だ」、の考えがひらめいた。その瞬間、それまでのもやもやが一気に解消した。物語として読んでいたら、どうも違和感のある文章がいくつもあったのだ。「マタイによる福音書」の記者は、旧約聖書のたとえば、「出エジプト記」のように、物語の中に掟をちりばめた。それであればそのように読めばよい。創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記から成るモーセ五書には掟が書いてあるので、「律法の書」として重要なのである。 ローマで急成長が続いたキリスト教会という組織体の中では、組織を維持するための新しい掟が必要になった。福音記者は、モーセ五書と同じ手法で、それよりも巧妙に物語の中に掟を組み込んだのである。教会員に掟だけのパンフレットを配っても誰も読まない。永遠の愛についての物語の中に紛れ込ませてこそ、その掟は家庭でも読まれるのだ。 |
| （例）「出エジプト記」 |
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