（５・４）エリュマントスの猪を

（Ｐ９２） 2-5-4（４）第四番目の仕事としてエリュマントスの猪（いのしし）を生きながら持って来ることを彼に命じた。 この獣はエリュマントスと呼ばれる山から出て来て、プソピスに害を加えた。そこでポロエを通過している時に彼はセイレノスとトリネコの精との間の子ケンタウロス（：半人半獣の一族）のポロスに歓待せられた。

彼はヘラクレスには焼肉を提供しながら、自分は生のを食べた。ヘラクレスが酒を要求すると、彼はケンタウロス族の共有の瓶（かめ）を開けることは心配だと言った。しかしヘラクレスが心配するなと言って、瓶を開けた。そして暫くたつと香をかいでケンタウロスどもが岩と樅（もみ）の木で武装して、ポロスの洞窟（どうくつ）にやって来た。 そこで最初に勇敢に入って来たアンキオスとアグリオスをヘラクレスは燃え木を投げつけて追い払い、そのほかの者どもをば矢で射てマレアまで追いかけた。それから彼らはラピテス人によってペリオン山から追われてマレアに居を構えていたケイロンの所に遁れた。 彼のまわりに小さくなっているケンタウロスどもをヘラクレスが射て一矢（いっし）を放ったところが、エラトスの腕を射抜いてケイロンの膝にささった。ヘラクレスは困って走りよって矢を引き抜き、ケイロンが手渡した薬を施した。 しかし傷が不治（ふち）であったので、ケイロンは洞窟の中に引き籠（こも）り、そこで死にたいと思ったが不死であるためにそれができず、プロメテウスが彼の代りに不死となるべくゼウスに自らを提供したので、それでケイロンは死んだ。残りのケンタウロスたちはそれぞれほうぼうに遁れ、一部のものはマレア山に行き、エウリュティオンはポロエに、ネッソスはエウエノス河に赴いた。残りはポセイドンがエレウシスに引き受けて、山中に隠した。 ポロスは死体から矢を抜いて、小さなものが、このように大きなものたちを殺したのに驚いた。ところが矢が手から滑って足にあたり、たちまち彼を殺してしまった。 （Ｐ９３） ポロエに帰って来てヘラクレスはポロスもまた死んだのを見て、彼を葬り、猪狩（いのししがり）にと出かけ、とある繁みから大声で叫びつつ猪を追い、深い雪の中に疲れ果てたところを追い込んで、係蹄（ワナ）にかけて捕え、ミュケナイに持って行った。

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2015/3/15 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会