（４・５）宿敵エウリュステウス

 
ヘラクレスとエウリュステウス
ステネロスとペロプスの娘ニキッペよりアルキュオネとメドウサ、およびミュケナイをも支配したエウリュステウスもまた後になって生れた。というのはヘラクレスが生まれんとした折りに、ゼウスは神々の間で、その時まさに生まれんとするペルセウスの後裔（こうえい）がミュケナイの王となるであろうと言ったところが、ヘラは嫉妬（しっと）からエイレイテュイア（お産の女神）にアルクメネのお産を止めるように説得し、七ヶ月であったステネロスの子供エウリュステウスが生れるようにしたからである。
---エウリュステウスはステネロスを父としてニキッペから生れた。

2-4-6エレクトリュオンがミュケナイの王であった時に、プテレラオスの子供たちがタポスの人々とともにやって来て、彼らの外祖父メストルの領地を要求した。そしてエレクトリュオンが耳をかさないので彼らは彼の牝牛を追い去ろうとした。エレクトリュオンの息子らがこれを防いだので、彼らは戦いを挑んで互いに殺しあった。

エレクトリュオンの息子の中ではまだ年少であったリキュムニオスが、またプテレラオスの息子の中では船を守っていたエウエレスが生き残った。タポスの人々のうち遁れた者は追って来た牝牛を持って出航し、エリスの王ポリュクセノスに預けたが、アムピトリュオンがポリュクセノスから贖（あがな）ってミュケナイに連れて行った。

第二巻（Ⅳ）（Ｐ８５）
しかしエレクトリュオンは息子たちの死の復讐をしたいと思って、王国と娘のアルクメネとをアムピトリュオンに委（ゆだ）ね、自分が帰って来るまで彼女を処女のまま守ることを誓わしめ、テレボエス人に対して対して軍を進めることを企てた。

彼が牝牛を受取ろうとしている時に、一頭が飛び出したので、アムピトリュオンは手の中の棒を牝牛に投げたところが、棒は角（つの）からはねてエレクトリュオンの頭にあたり、彼を殺してしまった。そこでステネロスはこれを口実（こうじつ）にしてアルゴス全土よりアムピトリュオンを追放し、ミュケナイとティリュンスの支配権を自己の手中（しゅちゅう）に収めた。ミデアをば、ペロプスの息子アトレウスとテュエステスを呼びよせて、彼らに委任した。

アムピトリュオンはアルクメネとリキュムニオスとともにテバイに来て、クレオンによって罪を潔められ、自分の姉妹のペリメデをリキュムニオスに与えた。しかし、アルクメネが彼女の兄弟の死の仇（あだ）をうってくれれば結婚すると言うので、アムピトリュオンはその約束をし、テレボエス人に対して軍を進めようとし、クレオンに協力するように乞うた。

しかしクレオンは先ず彼がカドメイアから雌狐を追い払ってくれるならば軍を進めようと言った。雌（めす）の猛狐がカドメイアを荒らしていたからである。アムピトリュオンは仕事にとりかかったが、何人（なんびと）もこの獣を捕えることができないように運命づけられていた。しかしこの地が荒らされるので、テバイ人は毎月市民の子供を一人獣に供えた。

2-4-7もしそうしないと大勢の子供を掠（サラ）うからである。そこでアムピトリュオンはアテナイのデイオネウスの子ケパロスの所に行って、テレボエス人からの分捕品の分前（わけまえ）を与える条件で、プロクリスがミノスからもらってクレタ島より連れて来た犬を狩に連れて来るように説いた。この犬もまた追いかけたものは何でもすべて捕えると定められていたのである。雌狐が犬に追われた時に、ゼウスは両方とも石に化した。

アムピトリュオンはアッティカのトリコスよりはケパロスを、ポーキスからはパノペウスを、アルゴスのヘロスからはペルセウスの子ヘレイオスを、テバイからはクレオンを味方（みかた）として、タポス人の島々を掠（かす）めた。ところがプテレラオスが生きている間はタポスを陥れることはできなかったが、プテレラオスの娘コマイトがアムピトリュオンに恋して、父の頭から黄金の毛を取り去ったので、プテレラオスは死に、彼は全諸島を手中に収めた。アムピトリュオンはコマイトを殺し、分捕品を持ってテバイに航行し、島々をヘレイオスとケパロスに与えた。そして彼らは自分の名をとって名づけた市を建設して住まった。
 
 
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2015/3/19 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会