１３．時刻を告げる １３．時刻を告げる
| その時刻 「鶏が鳴く前に、あなたは私を三度否むであろう」と、イエスの言葉がペテロの心臓を貫きます。「いえ、決して」と、抵抗するペテロ。そして、鶏が鳴く瞬間がきます。鶏が鳴くのは自然現象です。いつ、どこで、何羽が鳴くのでしょう。 この疑問を解決するには、エルサレムの状況を知る必要があります。当時エルサレムには、治安維持のためにローマ軍が駐屯していました。兵営の時刻伝達はラッパです。兵営の起床ラッパは未明のエルサレムに響きわたります。そこで、エルサレムの人々は、そのラッパを鶏と呼んでいたのです。 これが分かると、イエスの言葉があいまいさを含んだものではないことが、容易に分かるのです。イエス捕縛の事件は、イエスが「過越の食事」と形容された「最後の晩餐」のあった夜遅くから展開していますから、鶏の鳴き声の意味は、未明に響きわたる兵営の起床ラッパの音のことです。 （ルカによる福音書２２章）22-60ペテロは言った、「あなたの言っていることは、わたしにわからない」。すると、彼がまだ言い終わらぬうちに、たちまち、鶏が鳴いた。 ルカでは、ペテロが三度イエスを否定した後に一度鶏が鳴いています。マルコでは、二度泣いています。 （マルコによる福音書）14-71しかし、彼は「あなたがたの話しているその人のことは何も知らない」と言い張って、激しく誓いはじめた。14-72するとすぐ、にわとりが二度目に鳴いた。ペテロは、「にわとりが二度鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われたイエスの言葉を思い出し、そして思いかえして泣き続けた。 いずれにしても、それは鳥の鶏ではなく、ローマ軍の兵営が使う起床ラッパのことです。どちらも朝方を告げますが、ラッパは鳥よりも正確にエルサレム中に時を告げます。 |
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通称：ＯＣＣ （オリジナルキリスト教会）
2013/5/22（推敲）、2016/1/1