８（２）テベレの川神

○（８−２）川神ティベリヌスが現れ土地確保の権利を示しアエネアスを励ます (8-18)(8-19)(8-20)(8-21)(8-22)(8-23)(8-24)(8-25) これがラティウムの情勢であった。ラオメドンの一族の英雄（アエネアス）は、これらをすべて認識し、胸は大きな憂悶（ゆうもん）に閉ざされ、波うつ苦悩に打ちのめされた。心はあてどなく、転々と転がり、千々（ちぢ）に乱れ、さまざまな考えが、浮かんでは消えていった。 彼はさながら、水を湛（たた）えた青銅の水盤にゆらめく光のようであった。太陽か、または輝く月の姿を映して、光はあらゆる場所に反射する。空中高く舞い上がり、天上板にきらめいている。(8-18-25) (8-26)(8-27)(8-28)(8-29)(8-30)(8-31)(8-32)(8-33)(8-34)(8-35) 夜であった。大地に生きとし生けるものは皆疲れ、鳥も獣も深い眠りに包まれていた。この時、父なるアエネアスは、寒い夜空の下、岸辺に身を横たえ、ひとり惨（むご）たらしい戦争に想いをはせて心を痛めていた。遅くなってようやく彼の四肢に休息が訪れた。 するとこの地の神、快適な流れのティベリヌス（ティベリス川の神称）が、ポプラの枝の間から、その翁顔（おきながお）を現した。神は薄い青緑色の亜麻布（あまぬの）に身を包み、頭を葦（あし）の枝で欝蒼（うっそう）と覆っていた。神はかく語りかけて、彼の心配を取り除こうとした。(8-26-35) (8-36)(8-37)(8-38)(8-39)(8-40)(8-41)(8-42)(8-43)(8-44)(8-45) 「おお、神々の血を引くおかた。あなたはトロヤの都（みやこ）を敵の手から救い出し、われらがもとへとお運びくだされた。今なお永遠のペルガマの城を堅持（けんじ）しておられる。ラウレンスの地も、ラティウムの野も、あなたがお越しになるのをお待ち申しておりました。 ここにはあなたの家があります。それを確保すること、ご遠慮には及びませぬ。ここにあなたの竈（かまど）（家御守護神（ペナテス））があるのです。また、戦争の脅しにも怯（ひる）まないように。神々の激しい怒りの祟（たた）りは、もはや過去のものです。しかしわが言葉など、夢の中の幻影に聞こえるでしょうから、もっとはっきり申し上げよう。 岸辺（きしべ）の常盤（ときわ）樫（かし）の林の中に、一頭の巨大な雌豚（めすぶた）が、三十匹の子豚を産んで横たわる姿を見かけることがあるでしょう。(3-395)。地に横たわるこの雌豚が白（アルバ）の豚なら、乳房に群がる子豚たちも白（アルビ）の豚です」。(8-36-45) (8-46) そこが、町を建てる場所になります。そここそがこれまでのご苦労の休止の場所になります（(3-395)の中の文章と全く同一のこの文は、後世の挿入を疑われている）。 (8-46) (8-47)(8-48)(8-49)(8-50)(8-51)(8-52)(8-53)(8-54)(8-55)(8-56) それから三十年の歳月がめぐり来ります。その時になって、アスカニウス（アエネアスの子）殿がアルバという、天下に隠れなき名の都を建てます。これは徒（あだ）ごとではありませぬ。ですが今、当面の危険をいかに乗り越えればよいか、手短に申し上げましょう。しかりと聞いて勝利を御手にて掴（つか）んでいただきたい。

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2015/11/22 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会