８（１２）パラスを託す王

○（８−１２）エウアンドルス王が息子パラスをアエネアスに託す (8-497)(8-498)(8-499)(8-500)(8-501)(8-502)(8-503) (8-504)(8-505)(8-506)(8-507) 反乱者たちは、岸辺に軍船をそろえ、船端（ふなばた）を叩いて叫んでおります。彼らは号令（ごうれい）を要求してやまぬのです。そしてこの逸（はや）る者どもの心を老齢の腸卜師（ちょううらないし：ハルスペクス）が、なんとか抑え込んでいるのです。彼はこのような卜（ぼく：うらないの答え）を出しました、 『おお、選ばれしマエオニア（リュディア東部。エトルリアの美称）の若人（わこうど）たちよ、古武士（こぶし）の徳（ウィルトウス）を担う華（はな）よ。そなたらが敵にぶつけているのは正義の激怒（げきど）じゃ。メッゼンティウスの燃え上がらせし憎しみの炎は自ら招いた結末（けつまつ）なのじゃ。されど、イタリー人がかかる者を屈服せしめることはならぬ。遠国（えんごく）の武将を選べ』。 このような神々の警告に接し、エトルリアの戦線は野に張りついて身動きできなくなりました。そこへ、タルコン（エトルリアの武将）殿がわしに使者をよこして、王笏（おうしゃく）と王冠（おうかん）を送ってこられた。そして王国の神器をわたしに託して、わたしに陣営に加わってテュレナ（エトルリア）の国の運営を行うよう申し込まれた。(8-497-507) (8-508)(8-509)(8-510)(8-511)(8-512)(8-513)(8-514) (8-515)(8-516)(8-517)(8-518)(8-519) されどわたしは、あまりの高齢ゆえに、身体が冷え切っております。これでは采配（さいはい：イムペリウム）を取ることなど、もはやとてもできません。こんな力仕事がまわってくるのが遅すぎました。できれば倅（せがれ）にやらせたいが、これの母親はサベッラ（サビニの女）でして、これには祖国の血が流れているのです。 そこで、年齢から言っても、血筋から言っても、運命（さだめ）が求めるのはあなただ。神々のご意志もまたそこにあるものと心得ます。どうぞこの仕事、お断りなきよう、お願い致したい。あなたはテウクリ人とイタリー人の最強の武人だ。 それから、わたしらには希望でもあり喜びでもある倅のパラス、これをあなたにお預けもうそう。これにな、あなたの下で軍務を学ばせたいのじゃ。これに厳しいマルスの仕事を覚えさせてやってくだされ。これはあなたのなさることをしっかりと自分の目で見ます。若いうちにあなたのなさりようをしっかりと心に刻みます。 これには二百騎のアルカディア勢をつけてやります。わが選り抜きの若武者どもです。またパラスは別途、彼の手の者から、同数の武者をあなたに託しましょうぞ」。(8-508-519)

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2015/11/24 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会