７（３３）女戦士カミルラ

○（７−３３）（１４）女戦士カミルラ (7-803)(7-804)(7-805)(7-806)(7-807)(7-808)(7-809) (7-810)(7-811) 最後にウオルスキの一族（ラティウムの民）から、騎兵隊と青銅輝く兵団（へいだん）を率いたカミルラが到着した。彼女は紡錘（ぼうすい）と糸籠（いとかご）のミネルワの技（わざ）(5-285)など、女性の手仕事には不向きな女戦士（おんなせんし）であった。 乙女（おとめ）の身をつねに厳（きび）しい戦（いくさ）にさらし、走れば風にもまさる韋駄天（いだてん）であった。刈り入れ前の麦畑を飛び超えて、足は少しもか細（ぼそ）い穂先（ほさき）を散らさぬ。海面をうねる大波（おおなみ）の上をひとっ飛びしても、彼女の足裏（あしうら）はまったく濡れぬ。かくも素早（すばや）く彼女は翔（か）けた。(7-803-811) (7-812)(7-813)(7-814)(7-815)(7-816)(7-817) 彼女が進むと、誰しも家を飛び出した。若者たちは畑仕事の手を休めた。母たちも大勢群れて彼女の姿に見とれるばかり。彼らは驚きのあまりぽかりと口を開けるが、言葉が出ない。豪奢（ごうしゃ）な紫の薄物（うすもの）が彼女の肩を覆（おお）い、髪は黄金の簪（かんざし：フィブラ）で留めてある。腰にはリュキアの箙（えびら：矢を入れて背に負う武具）を携（たずさ）え、手には切っ先（きっさき）をつけたミルテの木(3-26)の牧人杖（ぼくじんつえ）を持っている。(7-812-817)

（完）

次へ（八卷目次へ）

2015/11/22 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会
2016/10/19（次へのリンク先変更）