３（１７）アンキセス死去

○（３−１７）シチリヤ西北のドレパヌムの港に着くが父アンキセスが死去した。 (3-707)(3-708)(3-709)(3-710)(3-711)(3-712)(3-713) (3-714)(3-715) そしてわたしが辿（たど）り着いたのはドレパヌム（トラパニ：カルタゴの東の海上に浮かぶシチリヤ島の北西部）の港でした。しかしこの岸辺（きしべ）には、予期せぬ不幸が待っていました。幾多の悪天候に苦しみながら大洋を乗り越えてきたわたしは、ここで父アンキセスを失いました。父は、この苦しみに満ちた旅路の中で、わたしの心の慰（なぐさ）めでした。それなのに、ここで父は、疲れ果てたわたしを見捨てて逝（イ）ってしまいました。 ああ、何のため、父はあのような危険の中をここまで進んできたのでしょうか。幾多の恐るべき事柄に関し、良き助言をしてくれたヘレヌスも、こんな悲しみがあるなどとは一言（ひとこと）も予言してはくれませんでした。厭（いと）うべきケラエノ(3-252)も何も言いませんでした。この事はわたしにとって、最もつらいことでした。そしてそれは、長い旅路の区切りにほかなりませんでした。わたしはそこを発（た）ち、そして神によってあなたがたの岸辺へと運ばれてきたのです」(3-707-715) (3-716)(3-717)(3-718) 父なるアエネアスはかく語った。全員がじっと耳を傾ける中、ひとり神々の運命（さだめ）について話し、これまでの経緯（いきさつ）を述べた。だが、ここまで語ると彼は黙った。そして物語に終止符を打って休んだ。(3-716-718)

（完）

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2015/10/23 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会