（７）洞窟のできごと

NHK 2カルチャーラヂオ歴史再発見「聖地エルサレムの歴史」
講師：元杏林大学教授　笈川博一（おいかわひろかず）氏
 
で、ムハンマドってのはちょっとかわった人だったみたいです。で、彼が４０さいぐらいになったとき、だから結婚して１５年、奥さんはたぶん５５歳ぐらいだったときに、人里はなれたところに行って、そこでそのお祈りをするというか、瞑想にふけるくせがありました。

で、メッカの郊外にあるそのジャバラヌールってところがあるんですが、そこのジャバラヌールっていうあの岩山（いわやま）です。あの岩山たって全然木がはえてないですが、とにかく岩しかない。まわりは砂しかない。で、そこに小さな洞窟があって、その洞窟の名前がヒラーっていいますけども、そこに彼はこもって、ぼんやりしてた。でー、お祈りしてるある日、だから彼が４０歳ぐらいの時に、天使があらわれまして。えーと、ジプリルという名前の天使でした（先生が、何か書く音がした）。

あのー、ジプリルってのは、ガブリエルのアラビヤ語です。で、それがいきなり、彼の口に巻物を突っ込みまして、「慈悲ふかく、慈愛あまねきアッラーのみなにおいて読め」。造りぬしなる主のみなにおいて。いとも小さい凝血から人間をばつくりなしたもう、読め、汝のしゅはこよなくありがたいおかた。（いくる）すべを教えたもう。人間に未知なることを教えたもう。うんぬんという。これはコーランです。

コーランの９６章のメッカ啓示の中に出て来る凝血（ぎょうけつ）、あのー、かたまった血という意味ですが、その冒頭ぶぶん。とにかくそう言われて、いやがるのにその巻物をくちの中に突っ込まれた。

（コーラン）凝血
慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・

96-1誦め、「創造主なる主の御名において。96-2いとも小さい凝血から人間をば創りなし給う。」96-3誦め、「汝の主はこよなく有難いお方。96-4筆もつすべを教え給う。96-5人間に未知なることを教え給う」と。96-6はてさて人間は不遜なもの、96-7己れひとりで他は要らぬと思いこむ。96-8旅路の果ては主のみもと、とは知らないか。

で、ムハンマドびっくりしちゃいまして、で、びっくりしちゃって、がたがた震え出した。やっとのことでうちへ帰って、奥さんのアディ−ジャのひざにすがってがたがた震えだした。そーと、姉（あね）さんにょうぼうってのは頼りになるわけですよな。

「まあ、あなた何がおこったの」、「いやーじつはこれこれこういう」。で、自分の思うにはあれは、ジン。ジンってのはあのー砂漠の妖精みたいなもんですが、あのー悪いほうです。でー、それに自分はだまされたんじゃないか。でー、これいろいろアディージャがきいてみると、どうもそうじゃないらしい。

ほんとに神がジル、ガブリエルをつかわして、ムハンマドに新しい教えをしてるんじゃないかと、彼女は思ったとおもいだして、で、「またいきなさい」って、今度いったら、ちゃんと聞いてきなさい」。でー、それが何度も何度もくりかえされる。で、なあんどもなんどもくりかえされたものの言葉がコーランの中に入ってる。 
 
 
 
次へ 
 
 
　2014/9/18　オリジナル教会　笹倉正義
キリスト教徒の対場からこれを聴いたので、記録しておく
（表題のロゴをクリックすれば上位のページに移動する）