3-47-8-1その晩(ばん)、オートィユでのできごとは、あらゆる人々(ひとびと)の話題(わだい)にのぼった。3-47-8-2アルベールはこれを母(はは)に語(かた)り、シャトー・ルノーはジョッキー倶楽部(くらぶ)で、ドプレーは大臣(だいじん)のお応接室(おうせつ・しつ)で、おのおのこのことを話(はな)してきかせた。 3-47-8-3ボーシャンまでが、自分(じぶん)の新聞(しんぶん)の雑誌欄(ざっしらん)に二十行(にじゅうぎょう)ばかりの記事(きじ)を書(か)き、この雄々(おお)しい外国人(がいこくじん)を、上流(じょうりゅう)の婦人(ふじん)たちの前(まえ)に勇士(ゆうし)の姿(すがた)をもって描(えが)き出し、伯爵(はくしゃく)にたいして敬意(けいい)を表(あら)わした。 3-47-8-4ビルフォール夫人(ふじん)のところへは、たくさんな人(ひと)たちが名刺(めいし)を通(つう)じた。3-47-8-5それは、折(おり)を見(み)てふたたび訪問(ほうもん)し、夫人自身(ふじんじしん)の口(くち)から、その目覚(めざま)しい事件(じけん)の細(こま)かい話(はなし)を聞(き)こうと思(おも)ってのことだった。 3-47-8-6一ぽう(いっぽう)ビルフォール氏(し)は、夫人の手紙(てがみ)にもあったように、黒(くろ)いフロックを見(み)につけ、白(しろ)い手袋(てぶくろ)をはめ、礼装(れいそう)も美々(びび)しく、その日(ひ)の夜(よる)、馬車(ばしゃ)を走(はし)らせた。3-47-8-7そして、馬車は、シャン・ゼリゼー街(がい)三十番地の邸前(やしきまえ)にとまった。 |
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ページ制作者:(ささくら修道会)聖母マリヤ福音教会
通称「オリジナル教会」 初代代表者 笹倉正義
オリジナル教会・ささくら修道会・必読書
2017/9/10