（６）チョンピ （６）チョンピ
| 過激派と穏健派の必然 1-6-6-1だが、蜂起者側（ほうきしゃ）（がわ）の内部矛盾（ないぶ）（むじゅん）もこの間（かん）に急速（きゅうそく）にふくらんでいた。 1-6-6-2勝（か）ち誇（ほこ）ってさらに大（おお）きな成果（せいか）、さらにラディカル（：＝ラディカル（radical）の意味は２つあります。 １つ目は「過激なさま」や「急進的なさま」という意味。 急進的とは「現状を変えることに積極的なさま」という意味の言葉です。参照先：https://imikaisetu ）な変革（へんかく）を求（もと）めようとする過激派（かげきは）と、この辺（へん）で矛（ほこ：槍に似た武器）をおさめて正常（せいじょう）な市民生活（しみんせいかつ）に戻（もど）ろうとする穏健派（おんけんは）の対立（たいりつ）は、日（ひ）ごとに険（けわ）しさを増（ま）し、権力（けんりょく）の座（ざ）に就（つ）いた若（わか）いミケーレは、両派（りょうは）をまとめていくだけの政治的力量（せいじてき）（りきりょう）に欠（か）けていた。 過激派の敗退の果実は 1-6-6-3八月末（はちがつ）（まつ）、両派激突（りょうは）（げきとつ）して凄惨（せいさん）な「内（うち）ゲバ」が続（つづ）き、ミケーレは穏健派（おんけんは）に抱（だ）き込（こ）まれ、過激派（かげきは）は孤立（こりつ）して憎（にく）しみの的（まと）となり、急速（きゅうそく）に敗退（はいたい）。 1-6-6-4こうなればもう安心（あんしん）だ。1-6-6-5館（やかた）の奥（おく）に隠（かく）れて息（いき）を殺（ころ）していた富豪（ふごう）たちは、小（しょう）アルテと穏健派（おんけんは）を隠（かく）れ蓑（みの）にしながら、革命（かいかく）の成果（せいか）を一つ一つ清算（せいさん）していく。 （１）警察と 1-6-6-6まず警察力（けいさつりょく）の強化（きょうか）。1-6-6-7「公安（こうあん）八人委員会（はちにん）（いいんかい）」が常置（じょうち）され、いかなる暴動（ぼうどう）にも対処（たいしょ）できる治安部隊（ちあん）（ぶたい）が外人傭兵（がいじん）（ようへい）を中核（ちゅうかく）として設置（せっち）された。 （２）労働者団結の破壊 1-6-6-8次（つ）いで労働者（ろうどうしゃ）の団結（だんけつ）の破壊（はかい）。1-6-6-9フランドルから労働者（ろうどうしゃ）を移入（いにゅう）して地元（じもと）の労働者（ろうどうしゃ）と競（せ）り合（あ）わせ、１３８２年には臨時執行委員会命令（りんじ）（しっこういいんかい）（めいれい）により、蜂起（ほうき）の際（さい）に結成（けっせい）された労働者（ろうどうしゃ）アルテを解散（かいさん）させる。 （３）中心人物の粛清 1-6-6-10第三（だいさん）に危険分子（きけんぶんし）の排除（はいじょ）。1-6-6-11同（おな）じ８２年、国家反逆罪（こっか）（はんぎゃくざい）により百六十余名（ひゃくろくじゅう）（よめい）に死刑判決（しけい）（はんけつ）、チョンピ反乱（はんらん）の導火線（どうかせん）となったサルベストロ・デ・メディチ、革命（かくめい）を裏切（うらぎ）ったミケーレ・ディ・ランドはいずれも国外（フィレンツェ共和国の外）追放（ついほう）。 （４）磐石の大アルテ 1-6-6-12最後（さいご）はもちろん、大（だい）アルテによる権力独占体制（けんりょく）（どくせん）（たいせい）の復活（ふっかつ）。1-6-6-13小（しょう）アルテの主（ぬし）だった指導者（しどうしゃ）を次々（つぎつぎ）に国家反逆罪（こっか）（はんぎゃくざい）に引（ひ）っかけて追放（ついほう）していたから、１３８２年にはすでに各種評議会・委員会（かくしゅ）（ひょうぎかい）（いいんかい）の三分（さんぶん）の二（に）を大（だい）アルテの代表（だいひょう）が占（し）めていたが、８７年、小（しょう）アルテに同情的（どうじょうてき）な富豪（ふごう）アルベルティを国外追放（こくがい）（ついほう）に処（しょ）した後（のち）、小（しょう）アルテへの議席配分（ぎせき）（はいぶん）を四分（よんぶん）の一（いち）に縮小（しゅくしょう）。 1-6-6-14大（だい）アルテ寡頭（かとう）支配（しはい）体制（たいせい）（辞書：少数の権力者が国家を支配する独裁体制）は完全（かんぜん）に復活（ふっかつ）した。 |
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| ミチオ書・第一部・（文章）歴史物語・藤沢道郎 ページ製作者：ささくら修道会 笹倉正義 |
| 2014/9/1、2016/1/12、2017/2/19 2019/1/28 （ささくら宗）聖母マリヤ福音教会：通称：「オリジナル教会」 |