（１４）戦争 （１４）戦争
| 1-6-14-1さりながらフィレンツェにとっては有難（ありがた）い勝利（しょうり）である。1-6-14-2主力（しゅりょく）壊滅（かいめつ）したミラノ軍（ぐん）は当分（とうぶん）脅威（きょうい）ではない。 ルッカ侵略戦争 1-6-14-3アルビッツイを中心（ちゅうしん）とする寡頭（かとう）支配実権派（しはい）（じっけん）（は）は、この機（き）を利（り）して領土（りょうど）と権益（けんえき）の拡大（かくだい）をはかり、新（あら）たに傭兵（ようへい）軍団（ぐんだん）を雇（やと）い入（い）れて、隣国（りんごく）ルッカ共和国（きょうわこく）に戦争（せんそう）をふっかける。 1-6-14-4だが戦争（せんそう）は高（たか）くつき、傭兵隊長（ようへい）（たいちょう）は報酬（ほうしゅう）を吊（つ）り上（あ）げ、その要求（ようきゅう）に応（おう）じなければ真面目（まじめ）に戦争（せんそう）してくれない。 1-6-14-5先（さき）の「八聖者戦争（はちせいじゃ）（せんそう）」だけで二百五十万フィオリーニ（金貨３．５ｇ＝１万円として、２，５００，０００万円＝２５０億円）の費用（ひよう）がかかっている。1-6-14-6今度（こんど）はそれくらいで済（す）みそうもない。1-6-14-7いくらフィレンツェが経済大国（けいざい）（たいこく）でも、容易（ようい）には担（にな）い切（き）れまい。 1-6-14-8それに、ミラノとの戦争（せんそう）は防衛戦争（ぼうえい）（せんそう）だし、相手（あいて）が独裁国家（どくさい）（こっか）だから大義名分（たいぎ）（めいぶん）も立（た）つが、ミラノ軍（ぐん）が引（ひ）っ込（こ）んだのにルッカ共和国（きょうわこく）を討（う）つというのは、明（あき）らかな侵略戦争（しんりゃく）（せんそう）だ。 民衆の期待はメディチ家に 1-6-14-9戦争（せんそう）、財政窮迫（ざいせい）（ひっぱく）、不景気（ふけいき）、兵士（へいし）の乱暴（らんぼう）、それらすべてのつけが無権利（むけんり）の民衆（みんしゅう）に負（お）わされる。1-6-14-10フィレンツェ内部（ないぶ）に不満（ふまん）が淀（よど）み、この戦争（せんそう）に批判的（ひはんてき）なメディチ家（け）に対（たい）する民衆（みんしゅう）の期待（きたい）は高（たか）まった。 １４２９年、ジョバンニ他界 1-6-14-11しかし、そのメディチ家（け）の大旦那（おおだんな）ジョバンニは病床（びょうしょう）にあり、１４２９年（ねん）永眠（えいみん）、享年（きょうねん）６９歳（さい）。1-6-14-12遺体（いたい）はサン・ロレンツオ聖堂（せいどう）に葬（ほうむ）られたが、葬儀（そうぎ）には各国大使（かっこく）（たいし）や皇帝代理（こうてい）（だいり）も参列（さんれつ）、一代（いちだい）で巨富（きょふ）を築いたこの実業家（じつぎょう）（か）の交際範囲（こうさい）（はんい）の広（ひろ）さを見（み）せつけた。 |
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| ミチオ書・第一部・（文章）歴史物語・藤沢道郎 ページ製作者：ささくら修道会 笹倉正義 |
| 2014/9/1、2016/1/14、2017/2/19 2019/2/7 （ささくら宗）聖母マリヤ福音教会：通称：「オリジナル教会」 |