（１２）ジョバンニの （１２）ジョバンニの
| 財界での躍進は政界での地位向上 1-6-12-1財界（ざいかい）での躍進（やくしん）はそのまま政界（せいかい）での地位（ちい）の上昇（じょうしょう）をもたらす。1-6-12-2初（はじ）めて共和国総務（きょうわこく）（そうむ）に選（えら）ばれた１４０２年以後（ねん）（いご）、ボローナ大使（たいし）、服属都市（ふくぞく）（とし）ピストイア長官（ちょうかん）、軍事委員等（ぐんじ）（いいん）（など）を歴任（れきにん）、総務（そうむ）にも何度（なんど）か再任（さいにん）されている。 1-6-12-3ジョバンニは常（つね）に慎重（しんちょう）で敵（てき）を作（つく）らず、党派闘争（とうは）（とうそう）にも巻（ま）き込（こ）まれぬように用心（ようじん）し、その一方（いっぽう）で共和国（きょうわこく）の内外（ないがい）に人脈（じんみゃく）の範囲（はんい）を着々（ちゃくちゃく）と広（ひろ）げていった。 1-6-12-4今（いま）は落（お）ちぶれているとはいえかつてはフィレンツェ一（いち）の富豪（ふごう）として時（とき）めいたバルディ家（け）の娘（むすめ）コンテッシーナを嫡子（ちゃくし）コジモの妻（つま）に迎（むか）えたのも、同（おな）じく古（ふる）い名家（めいか）であるポルティナーリ家（け）と事業（じぎょう）の上（うえ）で密接（みっせつ）な関係（かんけい）を結（むす）んだのも、その作戦（さくせん）の一環（いっかん）であった。 1-6-12-5またジョバンニは学問（がくもん）を好（この）み、レオナルド・ブルーニ、ポッジョ・ブラッチョリーニ、ニッコロ・ニッコリら当代（とうだい）を代表（だいひょう）するウマニスタと親交（しんこう）を深（ふか）めていたから、文化界（ぶんかかい）でも評判（ひょうばん）がよかった。 1-6-12-6こうして、フィレンツェの政財界（せいざいかい）に、新興財閥（しんこう）（ざいばつ）メディチを中心（ちゅうしん）とする一大勢力（いちだい）（せいりょく）が、静（しず）かに徐々（じょじょ）に形成（けいせい）されていった。1-6-12-7アルビッツイ家（け）を中心（ちゅうしん）とする実権派（じっけん）（は）にとって、別段（べつだん）自分（じぶん）たちに対抗（たいこう）する気配（けはい）を示（しめ）さないだけに、この新勢力（しん）（せいりょく）の台頭（たいとう）はいっそう不気味（ぶきみ）であったに違（ちが）いない。 メディチ家の支持母体が形成 1-6-12-8何（なに）よりも不気味（ぶきみ）なのは、メディチ家（け）が無権利（むけんり）の庶民・労働者（しょみん）（ろうどうしゃ）の支持（しじ）を得（え）ていることだ。 1-6-12-9チョンピ反乱（はんらん）の記憶（きおく）はまだ人々（ひとびと）の心（こころ）に生（い）き続（つづ）けており、大衆（たいしゅう）はメディチ家（け）を自分（じぶん）たちの理解者（りかいしゃ）だと信（しん）じている。1-6-12-10メディチとその一党（いっとう）が彼等（かれら）の利害（りがい）を代弁（だいべん）し始（はじ）めたらどうなる。 ジョバンニ事業から引退するも「正義の旗手」 1-6-12-11西暦１４２０年、ジョバンニは二人（ふたり）の息子（むすこ）に事業（じぎょう）を委（ゆだ）ねて財界（ざいかい）から引退（いんたい）するが、政界（せいかい）での声望（せいぼう）は高（たか）まるばかりで、翌年（よくねん）にはついに正義（せいぎ）の旗手（きしゅ）に選出（せんしゅつ）される。 |
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| ミチオ書・第一部・（文章）歴史物語・藤沢道郎 ページ製作者：ささくら修道会 笹倉正義 |
| 2014/9/1、2016/1/14、2017/2/19 2019/2/2 （ささくら宗）聖母マリヤ福音教会：通称：「オリジナル教会」 |