（７） （７）
| 7-1事実かどうかは確かでないが、7-2「コロンブスの卵」という有名な逸話がある。7-3地球は丸いのだから、7-4東から回っても西から回っても同じところへ着くことができる。7-5簡単な理屈で、誰にでも可能なことだ、とからかわれて、7-6コロンブスが憤然、ではこの卵をテーブルに立てられるかと聞き・・・・という、誰でも知っている話である。7-7卵の話はどうでもよいが、この時代でも、地球が丸いというのは、ヨーロッパ人の常識であって、7-8ダンテの「神曲」でも、大地が球体を成しているというのが当然の前提とされている。 7-9だから、東回りの道を遮断されたら西回りの道を取ればよい、7-10というのはたしかに誰でも考えつく理屈だ。7-11だから、航海者コロンブスが偉大なのは、7-12その着想によってでも、理屈を実行に移した勇気によってでもない。7-13現実に西回りにアジアに達しようとすれば、何が必要になるか。7-14まず大洋（たいよう）を越えていく航海技術を持っていなければならない。7-15海洋国家ジェノバで育てられ、航海先進国ポルトガルで多くを学んだコロンブスは、7-16すでに遠くアイスランドまでの単独航海をも経験し、その点での自信をもっていた。 7-17だが、技術があっても、ただ当てもなく西へと漕ぎ出して、どうなるものでもない。7-18地球が丸いと知っていても、7-19直径がおよそどのくらいあるのか、7-20目指すアジアの地域の緯度や経度のだいたいの見当（けんとう）はどれくらいなのか、7-21それがある程度合理的な基礎に基づいて推定されないことには、7-22船を出すことはできない。7-23だから、第一に航海技術、7-24第二に知識と情報が必要なのだが、これだけではすまない。7-25最大の問題は、その航海に要するであろう巨額の資金をどこに求めるかである。 7-26出資者がいなければ、7-27技術と知識がどれだけ正確であっても、7-28その計画は画（え）に描いた餅（もち）である。7-29技術と知識と資金、この三つを確保したと信じたから、7-30コロンブスは大西洋に乗り出し、アメリカ大陸に到達したわけである。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/5/3 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/4 |