（２）ミノスの子

Ｂ．ミノスの子（１） （Ｐ１１９） 一説によればエウロペはアゲノルのではなくして、ポイニクス娘であるという。彼女をゼウスが恋して、馴れたおとなしい牡牛（おうし）に身を変じ、彼女を背に海を渡ってクレタに連れて行った。そこでゼウスは彼女と床をともにし、女はミノス、サルペドン、ラダマンテュスを生んだ。 （中略） （Ｐ１２０） ラダマンテュスは島人たちのために立法者となったが、後ボイオティアに遁れ、アルクメネを妻とし、死後冥府においてミノスとともに判官となっている。ミノスはクレタに居住し、法を定め、太陽神（ヘリオス）とペルセイスの娘パシパエを娶り−−−但しアスクレピアデスはアステリオスの娘クレテであったいう−−−息子カトレウス、デウカリオン、グラウコス、アンドロゲオス、娘アカレ、クセノディケ、アリアドネ、パイドラを、またニムフのパレイアによってエウリュメドン、ネパリオン、クリュセス、ピロラオスを、またデクシテアによってエウクサンティオスを得た。 Ｂ．ミノスの子（２） （Ｐ１２２） デウカリオンにはイドメネウスとクレテと庶子モロスが生れた。しかしグラウコスは未だ幼い時に、鼠（ねずみ）を追いかけている間に蜜の大甕（おおがめ）に落ちて死んでしまった。彼が見えなくなったので、ミノスは大捜索を行ない、発見の方法について神に伺いをたてた。 （Ｐ１２３） （中略） これを眺めてポリュイドスは驚き、同じ草をグラウコスの身体にあてて生きかえらせた。ミノスは子供を取り戻したが、それでもなおポリュイドスがグラウコスに占いの術を教えるまではアルゴスに立ち去ることを許さなかった。ポリュイドスはやむを得ず教えた。そして出帆しようとする時にグラウコスに彼の口の中に唾をはくように命じた。グラウコスがそうすると、占術を忘れてしまった。 Ｂ．ミノスの子（３） （Ｐ１４７） しかし一説にはアスクレピオスの母はレウキッポスの娘アルシノエではなくて、彼はテッサリアのプレギュアスの娘コロニスの子であるという。そしてこれによればアポロンはこの女を愛し、直ちに交わったが、彼女は父の意見に反してカイネウスの兄弟イスキュスを好み、彼と交わったという。 アポロンはこれを告げた鴉（からす）を呪って、それまで白かったのを黒くし、女をば殺した。彼女が焼かれている時に火葬台より嬰児をひき掠（サラ）って、ケンタウロスのケイロンの所に連れて行き、子供は彼の所で育てられる間に医術と狩猟（しゅりょう）の技とを教えられた。そして彼は外科医となり、その術を非常に研鑽（けんさん）進歩させて、ある者の死を防げたのみならず、死者をもよみがえらせた。 アテナよりゴルゴンの血管から流出した血を得て、左側の血管より流出せる血を人間の破滅に、右側よりのを救済に用い、これによって死者を蘇生させた。 彼によって生きかえったと称せられる幾人かの人々を余は見出したが、これはステシコロスがその「エリピュレ」中で言うところによれば、カパネウスにリュクルゴス、「ナウパクティカ」の著者の言うところによればヒッポリトス、パニュアッシスの言によればテュンダオレス、オルペウス教徒の言によればヒュメナイオス、メレサゴラスのお言によればミノスの子グラウコスである。 ゼウスは人間が彼より治療の術を獲得して互いに助け合いはしまいかと恐れて、彼を雷霆（らいてい）で撃った。

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この文庫本は小さくて薄いものだが、固有名詞索引が67ページあり、本文末のP211-P229（18ページ）が訳注になっている。物語は多岐におよび、律法部分を除いたモーセ五書に匹敵する。

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３．グラウコス（Ｇｌａｕｋｏｓ）

2015/2/23 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会