（１２）アキレスの怒り

 
＜189>
九年が過ぎ去った時にトロイ人に味方が到着した。

Ⅳ　アキレスは神官クリュセスの娘ブリセイスが原因で憤り、戦（いくさ）に出なかった。それゆえに夷狄（いてき）たちは力を得て市よりうって出た。そしてアレキサンドロスはメネラオスと一騎打ちをし、アレキサンドロスの旗色が悪かった時にアプロディテが彼を奪って行った。そしてパンダロスはメネラオスを射て休戦の誓いを破った。

---アキレスが怒ったのは、アガメムノンがブリセイスを取り上げたからである。詳しくはホメロスの「イリアス」に書いてある。

<P190>
ディオメディスは勇ましく戦ってアイネイアス助けに来たアプロディテ傷つけ、グラウコスと出会って父の友誼（ゆうぎ：友情）を思い起し、武具を交換した。ヘクトルが最も優れた者と一騎打ちの勝負をせんと挑（いど）んだ時、多くの者が出たが、アイアスが籤（くじ）を引きあて、勇戦した。しかし夜となったので伝令が彼らを引き分けた。

S（ギリシャ人は碇泊地を護るべく壁と堀を作り、平地で戦闘が起こった時にトロイ人はギリシャ人を壁の内に追い込んだ）。ギリシャ人はアキレスの所へ使者としてオデッセウス、ポイニクス、アイアスを、彼らと力を合わせて戦うことを乞い、またブリセイスとそのほかの贈物を約束するように送った。

（中略）（トロイ軍の猛攻）
日中に激しい戦闘となり、アガメムノン、ディオメディス、オデッセウス、エウリュピュロス、マカオンは負傷し、ギリシャ方が敗走した時、ヘクトルは壁を破って入り、アイアスが後退したので、火を船に放った。

---ヘクトルは、トロイの第一王子である。トロイ側が激しくギリシャ軍を追い詰める。その戦闘シーンの臨場感は、「イリアス」を読めば味わえる。「イリアス」は数日間の戦闘シーンの描写である。人間は、あたかもオリンポスの神々の代理戦争をしている風である。
 
次へ
 
 
 
掲載と閲覧・双方の注意事項
１．このサイトの読者の中には、本の購入者あるいは購入予定者がおられるであろうこと。 
２．このサイトの目的は、キリスト教の説明書作成の一環であること。 
 
　 

2014/12/21 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会