（２４）裁判官諸君

24-1諸君、しかし名誉のことはしばらく置いても、24-2教示と説得とによらずして、24-3裁判官に哀願し、そうして、24-4哀願によって赦罪を得るが如きは、24-5私には正しくないと思われる。24-6けだし裁判官がその席にあるは、24-7情実に従って公正を一種の恩恵として与えるためではなくて、24-8事件を審理するためだからである。 24-9また彼はお気に入る者に恩恵を施す如きことなく、24-10国法に従って裁判することを誓言しているのである。24-11従って私達は諸君にその誓言を破るような習慣をつけさすべきでもないし、24-12諸君もまた自らそんな習慣をつけるべきでもない。 24-13それは我々双方にとって敬虔な行為とはいえないからである。24-14それ故に、アテナイ人諸君、私が諸君に対して、24-15自ら名誉だとも正しいとも敬虔だとも考えないような態度を採ることを期待し給うな、24-16特に今は、ゼウスにかけて、24-17ここにいるメレトスから神を無みする故を以って告発されているのだから。 24-18けだし私がもし諸君をいいくるめて宣誓した諸君を哀願によって強制したとすれば、24-19私は明らかにこれによって、諸君に神々の存在を信ぜぬように教えることとなり、24-20従って、自ら弁明せんとしてかえって神々を信ぜぬかどで実は私自身を告発するに至るであろう。 24-21しかしそんな事は思いも寄らない。24-22けだし、アテナイ人諸君、私は私の告発者の何人よりも堅く神々を信じている者であり、24-23かつまた、私にも諸君にも最も善いように私を裁判することを、24-24諸君と神々とに委ねる者であるからである。

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（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 2014/9/21、2014/9/23 通称：オリジナル教会