（１１）反撃弁論

11-1最初の告発者の非難に対して、11-2私が諸君の前になすべき弁明は、11-3今いったところで尽きていると思う。11-4さて私はこれより自ら有徳の士かつ愛国者と称するメレトスと、11-5次にはその後の告発者に対して弁明を試みようと思う。11-6まず私達は、彼らを別の告発者とみなして、11-7今やまた彼らの訴状をも取り上げてみたい。11-8そのいうところはほぼ次のごとくである。 11-9「ソクラテスは罪を犯す者である、11-10彼は青年を腐敗せしめかつ国家の信ずる神々を信ぜずして他の新しき神霊（ダイモニヤ）を信ずるがゆえに」と。11-11かくの如きがその訴である。 11-12さてわれわれはこの訴（うったえ）を一点一点について点検して見ようではないか。11-13彼はすなわちいう、11-14私は青年を腐敗せしむるが故に罪を犯す者である、と。11-15これに反して私は主張する、11-16アテナイ人諸君、メレトスこそ罪を犯す者である、 11-17何となれば、彼は厳粛な事柄を冗談（じょうだん）の種にする者だからである。11-18すなわち彼は軽々しく他を訴訟（そしょう）事件に巻き込み11-19かつまた未（いま）だかつて寸毫（すんごう）も自ら関心を感じたることなき事柄について、11-20熱心と関心とを有するが如く装っている、と。11-21事実その通りであることを、私は証明すべく試みたいと思う。

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2014/10/18 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 通称：オリジナル教会