４．トビトの律法 ４．トビトの律法
| 4-1そのころトビトは、メディアのラゲスで、ガバエルに預けた金のことを思い出して、4-2こう考えた、「私は死を願うようになった、死ぬ前に、この金について、息子のトビアを呼んで話したがよいと思う」。 律法の挿入 ユダヤの物語の機能の一つが、人生訓の挿入である。それによって、この物語を聞いたり読んだりするユダヤ人の子供や大人が、より良く生きていくための知恵を、自ずとつけることを願っている。 そして、息子のトビアを呼び、4-3こう話した、（１）「私が死んだら盛大に葬ってくれ。（２）おまえは母を尊び、一生ずっと母をたいせつにし、気にいることをせよ、母を悲しませるな。4-4息子よ、母がおまえを胎にやどしていたとき、どんなに多くの危険に耐えたかを忘れるな。（３）母が死んだら、私と同じ墓に葬ってくれ。 （４）4-5息子よ、一生、主に忠実を守れ、罪を犯し、主のおきてに背こうとするな。（５）一生の間ずっと、不正な道を歩かず、善いことを行え。4-6もし、おまえが真理によって行い続けるなら、おまえのすることはすべて成功するだろう。正義を行う者はそうなるのだ。 （６）4-7おまえは、持っているもののうちから施しをし、いつも、貧乏人に顔を背けるな。そうすれば神は、おまえにみ顔を背けられることはあるまい。4-8施しは豊かにはかれ、多くを持てば多くを与えよ、少ないものしか持っていなければ少なく与えよ、だが施しをためらうな。4-9それは、乏しい日のために、豊かな宝を備えることになる。4-10なぜなら、施しは人を死から解き、やみに行くのを防いでくれるからである。4-11いと高き者のみ前で、施しをする人々にとって、それは値打のあるささげ物となる。 ---自分が施しされる者となったとき、屈辱ではなく、それがありがたいと思えるようにされなければ・・・。施しされることを有難いと思う者とされるよりは、むしろ死を選ぶ人もいるだろう。銭を投げ与えるな。工夫せよ。 （７）4-12息子よ、不品行なことを避けよ、 （８）先祖の子孫のうちから妻を選べ、先祖の種族に属さない女をめとるな。われらは預言者たちの子らなのだから。ノア、アブラハム、イサク、ヤコブを思い出せ、彼らは初めからわれらの父たちだった。彼らはみな、親戚のうちから、妻を選んだので、子どもたちによって祝福され、その子孫は地を継ぐのである。 （９）4-13息子よ、おまえも兄弟たちを愛し、自分の民の子らであり、娘である兄弟たちを軽蔑しようとするな。そして、そのうちから妻を選べ。（１０）高慢には、滅びと不安があるからだ。（１１）無為は貧しさと乏しさを生む。（１２）飢えの母は怠惰なのだから。 （１３）4-14おまえのために働いてくれる者のお賃金は、明日に延ばさず、すぐ支払え。（１４）おまえが神に仕えるなら、報いを受ける。 （１５）息子よ、よく警戒して事を行い、慎重に歩を運べ。 （１６）4-15おまえのしてもらいたくないことは、他人にもするな。 （１７）ぶどう酒は酔うほど飲むな。過飲を道連れにするな。 （１８）4-16飢える人にパンを分け、裸の人に服を与えよ。豊かに持っている物のうちから施しの分をとり、また、施しをするときには物惜しみの目つきをするな。 （１９）4-17正しい人を葬るときには、パンとぶどう酒を十分に提供してよいが、罪人の場合はそうするな。 （２０）4-18知恵のある人から意見を聞き、ふさわしい助言を軽んじるな。（２１）4-19どんな場合にも神なる主を祝し、主に向かって、おまえの旅の道連れとなり、おまえの道と企てを成功させてくださるようにと願え。知恵はどんな民にも与えられているものではなく、すべて善を与えたもうのは主である。主は望みのままに人を高め、あるいは死の住まいの底の底まで人をいやしめられる。そしていま、息子よ、こういう戒めを心に刻み、つねに思い出せ。 銀十タレントの価値 4-20さて、息子よ、私はメディアのラゲスで、ガブリアの子、ガバエルに、銀の十タレントを預けたことをおまえに知らせておく。4-21息子よ、われらは貧しくなったが、貧しさを恐れるな。おまえが神を恐れ、すべての罪を避け、神なる主のお気に入るように行うなら、おまえは、ありあまる富をもっていることになる」。 聖書の度量衡（タレントの価値） |
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