３．サラの祈り ３．サラの祈り
| 3-1私は悲嘆にくれてため息をつき、泣きながら次のような嘆きの祈りをとなえた、 3-2「主よ、あなたは正しい、 あなたのみ業は、すべて正しい。 あなたの道は、慈しみと真理、 あなたは、世をさばくもの。 3-3いま、主よ、 私を思い、私をかえりみたまえ。 私の罪のために、罰を下したもうな、 私の愚かさのためにも、 先祖の愚かさのためにも。 ---先祖が、北王国イスラエル建国の際、モーセの神を捨てて、偶像の町を建てたこと。 われらはみ前で罪を犯し、 3-4あなたのおきてを汚した。 そこであなたはわれらを、はぎ取りと、 流されと、死と、 われらを散らしたすべての民の、 うわさと、笑いと、辱めにさらされた。 3-5あなたの定めはすべて正しい、 あなたが私を、 自分と父祖のあやまりによって扱われるとき。 われらは、ご命令を拒み、 み前を真実に歩まなかった。 ---先祖が、北王国イスラエル建国の際、モーセの神を捨てて、偶像の町を建てたこと。 転じて、自分たちが南王国ユダの末裔が興した「ユダヤ人」に合流することの正当性を主張していく。 3-6お望みのとおりに私を扱い、 私の生命を取り去りたまえ。 わたしは地から解かれ、 ふたたび地となることを望む。 私にとって、死は命にまさる、 わけもなくとがめられた 私の苦しみは大きい。 主よ、あなたの定めによって、 私は、この試練から解かれるのを待つ。 私を永遠の住まいに行かせよ、 主よ、み顔を背けたもうな、 避けがたい災いにあって生きるより、むしろ死が望ましい。 私はもう、ののしられるのに飽きた」。 サラの場合（凶悪な悪魔のアズモデ） 3-7同じ日、メディアのエクバタナに住んでいたラグエルの娘サラも、父親の女中の一人からののしられた。3-8というのは、サラは七度結婚したが、凶悪な悪魔のアズモデが、よい夫婦として住むより早く彼女の夫をつぎつぎと殺してしまったからなのだ。女中はこう言った、「そうとも、あなたの夫たちが死んだのはあなたのせいです。あなたは七人の男を与えられたのに、一度もうまくいかなかった。3-9あなたの夫たちが死んだからといって、それが私たちを罰する理由にはなりません。あなたも彼らのところに行きなさい、あなたが永久に息子も娘ももうけないように」。 ---ひどいことをいう女中だ。主人筋に向かって言う言葉ではあるまい。 3-10これを聞いて、サラはひどく悲しんで泣き、首をつろうと思って父の部屋に上っていった。だが、心をとり直してこう考えた、「もし、父が非難されたらどうしよう。人々は父に向かって、＜あなたにはたった一人の愛娘がいたが、不幸に負けて首をつってしまった＞と言うだろう。私は父の老年を死の住まいにと追いやるような、そんな悲しみを与えてはいけない。首をつらないでおこう。もう二度と侮辱を聞かないように死なせてくださいと、主にこいねがったほうがよい」。 処女サラの祈り 3-11そして彼女は窓に向かって立ち、腕を広げて、祈った、 「あわれみの神よ、祝されたものよ、 そのみ名は代々に祝されんことを。 3-12いま、私は顔をあげ、 あなたに目を向ける。 3-13あなたのみことばが私を地から解かんことを、 私は、もうののしりを聞きたくない。 3-14主よ、あなたは知られる、 私は清いままで残された、 どんな男も私には触れなかった。 3-15流されのこの地の上で、 私はこの名と父の名を汚しはしなかった。 私は父の一人娘、 父にはほかには世継ぎの子がない、 父には兄弟もいない。 私を嫁がせるような、他の親戚もない。 私はもう七人の夫をなくした、 なぜ、これ以上生き続けなければならないのか。 私を死なせることを好まれないなら、 私をあわれんでかえりみ、 この耳にののしりを聞かせたもうな」。 天使ラファエル登場 3-16こうして先の祈りとこれとは、神の光栄のみ前に聞き入れられ、3-17ラファエルが二人をいやすために遣わされた。ラファエルは、トビトの目があいて神の光がながめられるように、その目から白い斑点を取り除き、ラグエルの娘サラをトビトの子トビアの妻とならせ、凶悪な悪魔のアズモデから解き放つ役目をおおせつかってきた。財産の名義のために、だれよりも先にサラをめとる義務があるのはトビアだったからである。そのとき、トビトは、庭から家に入ろうとし、一方、ラグエルの娘サラは部屋を出るところだった。 |
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