３１．ぶどう酒 ３１．ぶどう酒
| 31-1金のために徹夜するとからだは衰え、 金の心配をすると不眠になる。 31-2生きるために心労すると眠れず、 重病人以上の不眠になる。 31-3金持は財を積もうと働き、 休み時間は快楽におぼれている。 31-4必要な物さえもないままに貧乏人は働き続け、 それをやめると赤貧になる。 31-5金を好む人は罪を避けられず、 金もうけに走りまわる人は、そのために悪事を行う。 31-6黄金のいけにえになった人は多く、 その滅びは目に見えていた。 31-7金は、愚か者にはわなであり、 思慮なき人はそれにかかる。 31-8汚れなく身を守り、 金を追わぬ金持は幸せだ。 31-9それはだれだろう。私たちは、彼に祝詞を述べたい。 彼は民の中で不思議を行ったのだ。 31-10金の試みを受けて、申し分ない人としてとどまったのはだれか。 それこそ光栄である。 彼は罪を犯す機会があったのにそうせず、 悪事ができたのにそうしなかった。 31-11彼の富は基礎ができ、 集会は、その慈善を宣言する。 31-12あなたは、山海の珍味の食卓についたことがあるか。 それを賞めようとして口を開くな。 何と多くの物がある、と言うな。 31-13忘れるな、物ほしそうな目をするのは悪いことだ、 つくられた物の中で、目ほど悪いものがあろうか。 目は、どんな物を見ても泣く。 31-14招待主の見ている方に手をのばさず、 その人と同じ時にさらに手を出すな。 31-15自分をふり返って、他人を判断し、 どんなことも慎重にせよ。 31-16育ちのよい人間らしく、出された物を食べよ、 音を立てて食べると人にいやがられる。 31-17礼儀上、まずあなたが食事を終われ、 大食漢は人にあなどられる。 31-18多数の仲間と食卓についている時には、 人より先に給仕のさらに手を出すな。 31-19育ちのよい人は、少ない物でこと足らす、 そうすると、寝る時にも呼吸が楽だ。 31-20小食の人の快い眠り、 彼は朝早く起き、心は軽い。 不眠と、吐き気と、腹痛、 それは大食漢のものだ。 31-21食事を強いられたら、 吐きに行け、そうすれば気が軽くなる。 31-22子よ、私を軽んぜず、私の言うことを聞け、 のちに私の言ったことがわかり、 あなたの行いには適度が守られ、 病気にかかることもあるまい。 31-23心の広い招待主はほめられ、 その寛大な行いの賛辞は消えない。 31-24だが、けちな招待主は町の人から不評を買い、 そのけちな行いはうわさにのぼる。 31-25酒豪だといばるな、 ぶどう酒は多くの人を失敗させた。 31-26炉は鉄の硬度を試し、 ぶどう酒はいばる人の口論の時に、 その心を見せる。 31-27限度を心得て飲めば、 ぶどう酒は人間の命だ。 ぶどう酒のない生活はいったい何だろう。 酒は人間の楽しみのためにつくられている。 31-28愉快な心、魂の喜び、 それは、時を心得て、十分にぶどう酒を飲んだ時だ。 31-29苦痛な魂、それは、度をすごし、欲を出し、 挑戦してぶどう酒を飲んだ時だ。 31-30泥酔は愚か者の怒りをかき立て、身を滅ぼさせ、 力を衰えさせ、人からたたかれるもとをつくる。 31-31宴会の時、隣席の人に挑みかからず、 楽しんでいる相手をからかわず、 ののしらず、 金を要求していらだたせるな。 |
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