１３．メネラオの最後 １３．メネラオの最後
| セウレコ暦１４９年 13-1百四十九年、アンティオコ・エウパトルが武装した大軍をひきつれてユダヤに攻め入るという知らせが、ユダの人たちに伝わった。13-2歩兵十一万、騎兵五千三百、大象二十二頭、かまのついた戦車三百をひきつれた王の後見人であり宰相であるリジアも王につき従っていた。 （マカバイの書上） 6-14王は友人の一人フィリッポをよびよせ、全領土の長とした。6-15そして王冠とがいとうと指輪をフィリッポに渡し、王子アンティオコを導いて王としての教育をさずけるようにと頼んだ。6-16アンティオコ王は百四十九年、その地で死んだ。6-17リジアは王の死を知ると、小さいころから自分が養育していた王子アンティオコを王位につけ、エウパトルと名づけた。 6-28王はこれを聞いて怒り、軍隊と騎兵の指揮官をしている友人をみな集めた。6-29ほかの領土や海の島々からも援軍がきた。6-30こうして王の軍勢は歩兵十万、騎兵二万、戦い慣れた象三十二頭となった。6-31彼らはイドメアを通って進み、ベト・ズルを囲み、攻撃道具を構築して何日もの間攻めたが、包囲されている人々は出撃して道具を焼き、勇ましく応戦した。 メネラオの末路 13-3メネラオもそれに加わった。この人は偽善的にアンティオコをあやつっていたが、彼が求めていたのは祖国の救いではなく自分の地位の確保だけだった。13-4しかし王の王である主はこの悪者に対してアンティオコの心を怒らせられた。リジアは王にメネラオがすべての災難の源であると進言したので、王はメネラオをベレアに送り、その地の風習によって殺すようにと命じた。13-5そこには五十クビトの高さの塔があって、灰がいっぱい入っていた。またまわる機械がとりつけてあって、四方から何でも灰の中に投げ落とすようになっていた。13-6?聖の罪を犯したばかりか数々の悪を行ったこの悪者はみなの手で死へと投げやられた。13-7こうして不敬の者メネラオは死に、葬りもされなかった。13-8これは正しいことだった。彼は火と灰が聖別されている祭壇のかたわらで、多くの悪事を行ったからである。こうして彼は灰の中で死んだ。 （マカバイの書下）メネラオとは 4-23三年ののち、ヤゾンは先に言ったシモンの兄弟メネラオを、王に金を持って行かせることと、緊急なある問題の覚え書きを渡すために派遣した。4-24メネラオは王に紹介を受け、権力ある人のような態度を示したので王に深い印象を与え、ヤゾンよりも銀三百タレント多く届けて大祭司職を自分の手に握った。 13-9さて心に野蛮な決心を抱いた王は、父のときにしたのよりさらにひどいことをしようとして、ユダヤに進軍してきた。13-10これを知ったユダは昼も夜も主にこいねがえと人々に命じた。前にもほかの民にされてように、13-11律法と祖国と神殿を失おうとしている人々を救い、ようやく立ちなおろうとしている民が、神を汚す人々の国の支配下につくことがないようにしてくださいと祈るためだった。13-12人々は彼の命令に従い三日間ひき続いてこいねがい、断食し礼拝しあわれみの主に祈った。それからユダは彼らを励まし、いつも準備を整えているようにと命じておいた。 13-13ユダはとくに長老たちと相談してのち、王の軍隊がユダヤに入って町々を占領するより先に自分から攻め進み、神の助けによって片をつけようと決めた。13-14すべてを創造主にゆだねたユダは法と神殿と町と祖国とこの国の制度のために、死を賭けて勇ましく戦えと仲間を励ました。その間に彼はモディンの付近に陣を張った。 巨大な像は 13-15ユダは仲間の者に、「神の勝利」という暗号を与え、勇ましい人人の中から選びだした何人かの若者をひきつれ、夜に乗じて王の幕屋に忍び入り、王の陣で二千人ほどを倒し、軍隊の中でいちばん巨大な象とそれの御者を殺した。3-16それから敵陣に恐怖と混乱を起し、完全に成功をおさめて引き揚げた。13-17彼が主の力強い保護を得て、それを果し終えたときもう夜が明けつつあった。 （マカバイの書上）ユダの兄弟エレアザルの死 6-42ユダは兵をひきつれてこれを迎え撃ち、王の兵六百を倒した。6-43アバランと呼ばれるエレアザルは、ほかのどれよりも目だって高い一頭の象が王の装備をつけているのを見たので、それに王が乗っていると思った。6-44身を捨てて民を救い不滅の名を刻もうとした彼は、6-45大胆にも軍隊をつっきり、右に左に兵を斬り倒しながら象に向って走りよった。敵は彼の前で左右に道をあけた。6-46彼は象の下に入り、下から斬りつけてそれを殺した。象は彼の上に倒れ、彼はその下敷きになって死んだ。6-47しかしユダヤ人は王の兵力と猛攻撃にあって退却した。 13-18王は大胆なユダヤ人についてこのような経験をしたので、次には彼らをだまして各地を占領しようとした。13-19そこでユダヤ人が固く守っているベト・ズルの砦に近づいたが、兵は押し返され破られ損害を受けた。13-20ユダは包囲されているそこの人たちに必要なものを供給することにしたが、13-21ユダヤ軍のロドコが敵に秘密の情報を内通したので、この男を見つけだし、捕らえて殺した。 フィリッポ謀反の兆し 13-22ふたたび王はベト・ズルの人たちと談合し、平和の申し出を承知させてそれからその地を去った。そののちもユダの兵と衝突があったが、戦いは不利だった。13-23王はアンティオキアで国務をまかされていたフィリッポが王に反逆したと聞いたので驚きあわて、すぐさまユダヤ人に降服し、正当な条件ならすべて守ることを誓った。そしてユダヤ人と和睦し、いけにえをささげ神殿を尊び聖所に恩恵を与えた。 （マカバイの書上） 6-55アンティオコ王がまだ生存していたとき、王子アンティオコが国を治められるようになるまで、その教育をまかせられたフィリッポが6-56王とともにいた軍隊を連れてペルシアとメドから立ち帰り、国政を握ろうとくわだてていることをリジアは知った。 13-24こうして王はマカバイを歓迎し、プトレマイスとゲラ人の国の間の司令官としてヘゲモニデを任じてのち、13-25発ってプトレマイスに向った。けれどもプトレマイスの人たちはユダヤ人と結んだ友情の契約を不満とし、その契約箇条を破棄しようとした。13-26そのときリジアは演壇に立ち、契約のとりきめを弁護し、市民を承知させ、なだめ、彼らをしずめてから、アンティオキアに向かって出発した。王の出兵と退却は以上のようであった。 |
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