（３）メディチ （３）メディチ
| 3-1この奇人（きじん）大公が死ぬのを待ちきれなくなった列強（れっきょう）は、3-2勝手に後継者を決めて押し付けてきた。3-3その候補者も、3-4最初はスペイン第二王子カルロスだったのが、3-5都合によってロレーヌ公フランツに代わり、3-6それを一方的（いっぽうてき）に通告してくるのだった。3-7ジャンガストーネはむくれたが、3-8イタリヤは諸強国の外交的取引の材料となる土地に過ぎないという現実をよく知っていたから、3-9あえて抵抗はしなかった。 3-10晩年になっても生活習慣は変わらず、3-11医師が「汚穢（おわい：よごれけがれていること）にまみれた」ベッドからむりやり追い出さないと、3-12シーツも取り替えられなかった。3-13入浴も着替えもいやがり、3-14着衣はぼろぼろになり、3-15鬘（かつら）はしょっちゅうナプキン代わりに口を拭（ふ）くのでほつれてぶらさがり、3-16手足の爪を切るのも嫌いで、3-17いつも猛禽（もうきん）の爪（つめ）のように伸ばしていた。 3-18だが、１７３４年、3-19ロレーヌ公の名代（みょうだい）が挨拶（あいさつ）に来た頃には、3-20本当に病気だったようだ。3-21その数日後危篤（きとく）に陥（おちい）り、3-22姉ルドビーカが強引（ごういん）に寝室に入ってきて神父（しんぷ）を呼ぶように強く勧（すす）めた時には、3-23まだ怒り狂って姉を追い出したが、3-24やがてそおの元気もなくなり、3-25周囲の者たちの呼んだ神父から臨終（りんじゅう）の秘蹟（ひせき）を受け、3-26神の許しを乞（こ）うて永眠（えいみん）。3-27こうしてメディチ家は滅び、3-28フィレンツェ共和国以来（いらい）の自治（じち）独立（どくりつ）の誇（ほこ）りもまた滅んだ。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2014/9/1、2016/2/26 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/2/22 |