（４） （４）
| 4-1メディチ邸は、フィレンツェ政治の中心であるだけでなく、4-2ヨーロッパ新文化の中心でもあった。4-3プラトン主義の色に染められた新しいウマネジモ（人文主義、ヒューマニズム）の思潮（しちょう）は、4-4この館に発して全欧（ぜんおう：全ヨーロッパのこと）に広がったのである。4-5当代最高の学者、文人、芸術家の集まるメディチ邸は、4-6諸国羨望（せんぼう）の的（まと）、4-7「豪華な人」の師傅（しふ：身分の高い人の子につきそって養育しながら教（おしえ）導く役、守り役）であったプラトン・アカデミー院長フィチーノはまだ健在で、最高の碩学（せきがく：学問が広く深いこと）の名をほしいままにしていたし、4-8ペトラルカ以後の最高の詩人と讃えられたポリツイアーノは、4-9ロレンツオの秘書としてその館に住みついていた。 4-10二十七ヵ国語に通じるという気鋭の哲学者ピーコ・デラ・ミランドラ、4-11万能の天才の代名詞のようなレオン・バッテイスタ・アルベルティ、4-12十五世紀フィレンツェ美術の掉尾（ちょうび：最後になって勢いの盛んなこと）を飾る大画家ボッティチェリ、4-13庶民的な語り口で奔放（ほんぽう）豪快な詩人プルチ、4-14いずれもメディチ家サロンの常連である。 4-15館（やかた）の主（あるじ）ロレンツオその人も諸学諸芸に通じ、4-16文学史に名を残す優れた詩人でもあったが、4-17それよりも、これだけ多様な文化人・知識人のまとまりの中心軸としてフィレンツェ文化を稀有（けう）の高みに導いた功績こそ、4-18特筆されるべきである。 4-19容貌（ようぼう）魁偉（かいい）であったが、4-20その人柄と話術の妙と教養の深さに魅せられぬ人なく、4-21祖父コジモの冷徹な理性と曾（そ）祖父（そふ）ジョバンニの度量の広さとを併（あわ）せ受け継いでいたから、4-22一癖（ひとくせ）も二癖（ふたくせ）もあるこれらの知識人が皆、「豪華な人」には心服（しんぷく）したのである。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/1/21 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/2/19 |