（２７）フィレンツェ （２７）フィレンツェ
| 27-1この混乱の中で、27-2フィレンツェには絶望的な革命が起こっていた。27-3蜂起（ほうき）した市民が三度（みたび）メディチ家を追放、27-4自治都市民主制を再興（さいこう）したのである。27-5皇帝軍がそんなことを黙認（もくにん）するわけがない。27-6たちまちスペイン軍団が攻め寄せ、27-7市を完全に包囲。27-8ミケランジェロは革命軍に加わって、27-9防城（ぼうじょう）司令（しれい）を務めていたが、27-10相変わらずの性格で司令部の中で孤立し、27-11恐怖に駆られて逃亡。 27-12友人に説得されてフィレンツェに戻った時は、27-13敵の総攻撃が迫っていた。27-14西暦１５２９年秋・総攻撃開始、27-15やがて城壁は破られ、27-16市は制圧されて、27-17共和国は滅亡、27-18メディチ家がむき出しの独裁者として復帰し、27-19革命の指導者は次々に処刑された。 27-20だがミケランジェロの隠（かく）れ家（が）には教皇の使いがやってきて、27-21逮捕状の代わりに、27-22敬愛の情に溢（あふ）れたクレメンスの手紙を届け、27-23彼をローマへ招聘（しょうへい）した。27-24こうしてまたしても彼はメディチ家の腕の中に引き戻され、27-25民主共和制を裏切ることになった。27-26天才の心は血を流し、27-27「最高の巨匠」の栄誉の中で、27-28ミケランジェロはこの上なく不幸だった。 27-29ローマ劫掠（ごうりゃく）とフィレンツェ滅亡の歴史的意義を、27-30彼の心は直観していた。27-31メディチ家廟墓（びょうぼ）の大理石（だいりせき）群像の一つ｢夜｣の碑銘（ひめい）として、27-32彼はこんな詩を書いた。 27-33眠りは甘し、石と成らばさらによし Csro me il sonno,e piu l'esser di sasso 27-34破壊と屈辱の続く間は。 Mentre che'l danno e la vergogna dera. 27-35見えぬこそ、聞こえぬこそ幸いなれ。 Non veder,non senrir m'e gran ventura. 27-36されば我が眠りを覚ますな、 27-37ああ、声ひそめて語れ！ Pero non mi destar;deh,parla basso! |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/2/3 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/2/20 |