（１０）ロレンツオの死

10-1この年四月、ロレンツオ・デ・メディチ没。10-2持病（じびょう）の痛風（つうふう：尿酸塩が関節軟骨の周囲に沈着して炎症を起こし、関節などがはれて痛む病気）が悪化し、10-3郊外の別荘に運ばれて治癒（ちゆ）に努めたが甲斐（かい）なく、10-4侍医（じい）の手術も失敗して、10-5死期を悟った「豪華な人」はサン・マルコ修道院長サボナローラを迎えて臨終（りんじゅう）の秘蹟（ひせき）を受け、10-6妻子（さいし）と親友に囲まれて静かに逝（い）った。10-7享年（きょうねん：死んだ時の年齢）四十三歳。

10-8聡明な独裁者の早すぎる死が、10-9フィレンツェ共和国にとって大きな痛手（いたで）であったことはもちろんだが、10-10イタリヤ全体にとっても没落の悲劇の始まりとなった。10-11イタリヤが未曾有（みぞう）の繁栄と卓越した文化を誇り得たのは、10-12この四十年間続いた平和のおかげであり、10-13その平和はコジモからロレンツオへと継承された勢力均衡（きんこう）政策のたまものであり、10-14その政策を有効に実現するには冷徹なリアリズムと絶妙のバランス感覚が必要であり、10-15その仕事を見事にこなしたロレンツオの役割は、10-16余人をもって代えがたかった。

10-17メディチ家当主（とうしゅ）の座を継いだのは長男のピエロだが、10-18性（せい）凡庸（ぼんよう）にして横暴（おうぼう）、10-19荷が重すぎるのは誰の目にも明らかだ。10-20メディチ独裁体制（たいせい）批判（ひはん）の急先鋒（きゅうせんぽう）、10-21サン・マルコ修道院の影響力が急速に拡大する。
 
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謝辞ミチオ・自己研鑽資料
2016/1/25 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義
通称：「オリジナル教会」　「ささくら修道会」
2017/2/19