（９）教皇との関係 （９）教皇との関係
| 9-1そんな心配を裏書きするように、9-2ロレンツオは9-3ボルテルラの反乱を力で押さえつけた。9-4フィレンツェの傭兵隊（ようへいたい）は9-5ボルテルラで9-6略奪をほしいままにし、9-7多数の市民を9-8殺傷した。9-9また、9-10イモラの帰属（きぞく：財産や権利などが特定の個人や組織・国などのものになること）をめぐっても、9-11教皇シクストウス四世と9-12衝突（しょうとつ）した。9-13教皇は9-14自分の甥（おい）を9-15イモラの領主にしようとしていたから激怒し、9-16教会の取引銀行を9-17メディチ家から9-18パッツイ家に変え、9-19反メディチ派の9-20サルビアティを9-21ピサ大司教に任命して、9-22フィレンツェ領内に送り込んだ。 9-23ロレンツオは9-24彼を領内の大司教として9-25迎え入れることを拒否したから、9-26フィレンツェ共和国と9-27バチカンとの関係は9-28ひどく険悪（けんあく）になっていた。9-29この確執（かくしつ）には心を痛めていたが、9-30ロレンツオは9-31まだまだ状況を楽観（らっかん）していた。9-32力関係からいえば、9-33教皇庁に味方するのは9-34ナポリ王国、9-35それにシエナ共和国をはじめとする9-36中部イタリヤの諸小国だが、9-37フィレンツェは9-38ベネチヤ共和国と9-39ミラノ公国という9-40半島二強と同盟を結んでいる。 9-41そうたやすくは戦争になるまい。9-42フィレンツェ市内で9-43メディチ家に対抗できるのはパッツイ家だけだが、9-44同調する者は少ないはず、9-45それにパッツイ家は9-46ロレンツオが9-47妹の中でいちばん可愛（かわ）がっていた9-48ビアンカの嫁（とつ）ぎ先でもある。9-49まさかそのパッツイ一族（いちぞく）が、9-50教皇を後ろ盾（うしろだて）に、9-51メディチ権力転覆（てんぷく）を9-52画策（かくさく）していようとは、9-53夢にも思わなかったのである。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/5/1 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/3 |