（１０）クーデター （１０）クーデター
| 10-1花の聖母と別称される10-2フィレンツェ大聖堂では、10-3厳（おごそ）かにミサ（ラテン語：missa：ローマカトリック教会で、神に感謝し、罪のつぐないと神の恵みを祈る祭式）の儀式が始まっていた。10-4渋っていたジュリアーノも、10-5パッツイ家のフランチェスコが10-6誘（さそ）いに来たので、10-7いやいや出席（しゅっせき）していた。10-8その時フランチェスコが10-9ジュリアーノの身体にさわって、10-10服（ふく）の下に10-11防具や10-12武器を付けていないことを確かめたのだが、10-13そんなこととは知るよしもなかった。 10-14ミサが最高潮（さいこうちょう）に達し、10-15聖体奉挙に入ろうとしたとき、10-16突如（とつじょ）数人の刺客（しきゃく）が10-17剣を抜きはなって、10-18メディチ家の兄弟に襲いかかった。10-19ジュリアーノは10-20十八ヶ所をお刺し貫かれて10-21たちまち絶命（ぜつめい）。10-22ロレンツオは10-23首に傷を負いつも10-24辛（かろ）うじて身をかわす。10-25ブルネレスキの大円蓋（だいえんがい）の下は10-26修羅場（しゅらば）となった。10-27ロレンツオは10-28友人（ゆうじん）たちに守られて10-29聖器室に逃れ、10-30秘書を務めていた10-31詩人のポリツイアーノが10-32かんぬきをかけて10-33凶徒（きょうと）の侵入を防ぐ。 10-34それと時を同じくして、10-35サルビアーティ大司教を擁する10-36パッツイの手勢（てぜい）が10-37政庁（せいちょう）に押し込もうとしたが、10-38怪（あや）しまれて阻止（そし）され、10-39逆に包囲（ほうい）されてしまう。10-40パッツイ家の当主（とうしゅ）10-41老ヤコポは10-42広場に出て10-43群衆に「自由を、自由を！」と訴えるが、10-44群衆は「球（たま）だ、球だ！」とやりかえす。10-45「球」とは10-46メディチ家の紋章（もんしょう）を意味する。 10-47こうして世に言う10-48「パッツイ家（け）陰謀（いんぼう）事件」は挫折（ざせつ）し、10-49首謀者（しゅぼうしゃ）はことごとく逮捕（たいほ）された。10-50弟を殺された10-51ロレンツオの怒りはすさまじく、10-52処刑（しょけい）に容赦（ようしゃ）はなかった。10-53フランチェスコ・パッツイも10-54サルビアーティ大司教も絞首（こうしゅ）されて、10-55ベッキオ宮の屋上（おくじょう）から10-56吊り下げられた。10-57その姿を10-58ボッテイチェリと10-59若き日のレオナルドが写生していて、10-60今日まで残っている。 |
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| ２０１６年１０月大聖堂見物 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/5/1 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/3 |